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相続登記の相談事例

10年前に亡くなった父の家が、まだ父名義です。今から相続登記できますか?

ご相談

再構成した相談例

父が亡くなってから10年になります。母と私たち兄弟で話し合い、浦和の実家は母が住み続けてきました。固定資産税も母が払っています。最近、登記簿を確認すると名義が父のままでした。いまから母名義にできますか。期限や罰則も気になります。

今からできます。10年前の相続登記も2027年3月31日が期限です

今からでも相続登記できます。お父さまの相続を2024年4月1日より前から知っていた場合、原則として2027年3月31日が期限です。まず、現在の登記と、この10年の間に相続人が亡くなっていないかを確認します。

10年たっているから、通常の相続登記ができなくなるわけではありません。相続登記の義務化より前に発生した相続も、未登記であれば義務化の対象です。

大切なのは、時間がたったことで相続関係が二段、三段になっていないかです。当時の相続人がその後亡くなっていると、現在手続に加わる方が増えることがあります。

2016年ごろの相続、2024年の義務化、2027年3月31日の期限を示す相続登記の時系列
図1:2024年4月1日より前の相続も義務化の対象です。すでに相続を知っていた不動産は、2027年3月31日が期限になります。

最初に確かめるのは、この10年で変わったことです

10年分の書類を、最初から全部集める必要はありません。まず、次の3点を確かめます。

  • 現在の登記は、誰の名義になっているか土地と建物の登記事項証明書で確認します。祖父名義のままなら、お父さまの相続だけでは登記できません。
  • 当時の遺言書や遺産分割協議書が残っているかすでに誰が実家を取得するか決めていたなら、その内容を確認します。口頭で話しただけなのか、書面まで作ったのかで進め方が変わります。
  • 当時の相続人で、その後亡くなった方がいるかこの10年の間に相続人が亡くなっていると、その方の相続人も手続に加わることがあります。
父が亡くなった当時の母と子2人に加え、その後相続人が亡くなった場合は次の相続人も関係することを示す家族関係図
図2:相続人の一人がこの10年の間に亡くなっていると、その方の相続人も手続に加わることがあります。図は説明用の一例です。

今やることは、当時の相続を現在につなぎ直すことです

申請書を書く前に、お父さまが亡くなった当時の相続と、現在の相続人をつなぎます。

  • 現在の登記と、対象になる不動産を確認する

    登記事項証明書を確認し、父名義の土地・建物と、私道持分など見落としやすい不動産を確かめます。

  • お父さまが亡くなった当時の相続人を確認する

    遺言書や当時の協議書を確認し、必要な戸籍から、その時点の相続人を確定します。

  • その後に亡くなった相続人の相続も確認する

    相続人の一人が後から亡くなっていれば、その方の相続人まで現在の手続につなぎます。

  • 現在手続に加わる方で、相続登記を進める

    誰が実家を取得するか決まっていれば、その内容に合わせて書類を整え、法務局へ申請します。

当時の相続人と現在手続に加わる方が同じなら、10年前の相続でも通常の相続登記として進められます。途中で相続人が亡くなっているときは、その分だけ相続関係をつなぐ確認が増えます。

遺産分割が決まっているかと期限までに決められるかで分かれる10年前の相続登記の判断フロー
図3:遺産分割が決まらないまま期限が近づいた場合は、相続人申告登記で義務に対応する方法があります。売却などには、その後の相続登記が必要です。

分け方が決まっているかで、期限への対応が変わります

  • 誰が取得するか決まっている遺言書や遺産分割の内容に合わせて、相続登記を進めます。実家を売る予定なら、売却代金の分け方まで考えて名義を決めます。
  • 誰が取得するか、期限までに決まりそうにないまず相続人申告登記で申請義務を果たす方法があります。ただし、これは誰が所有者になったかを示す登記ではありません。分け方が決まった後に、改めて相続登記が必要です。

期限に間に合わせるためだけに共有名義へ急ぐ必要はありません。将来の管理や売却も考え、最終的な名義と、期限までの対応を分けて考えます。

私なら、戸籍より先に現在の登記を見ます

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

「10年前の相続です」と相談されたら、私はまず「今からでも登記できます」とお伝えします。10年たったことだけで、相続登記ができなくなるわけではありません。

そのうえで、戸籍を一式集める前に、土地と建物の現在の登記を見ます。本当にお父さま名義か。ほかに私道持分などはないか。まず、相続登記の対象を確かめたいからです。

次に、お父さまが亡くなった当時の相続人と、この10年の間に亡くなった方を確認します。もう一度相続が起きているなら、当時の相続を現在の相続人までつなぎ直します。

この相談で浦和ホームができること

10年前の相続を、現在の相続人と登記につなぎます

  • 現在の登記を取り、父名義の土地・建物を確認する
  • お父さまが亡くなった当時の相続人を戸籍から確認する
  • その後に亡くなった相続人がいる場合、現在の相続人までつなぐ
  • 遺産分割協議書の作成から相続登記の申請まで進める
  • 期限までに分け方が決まらない場合の対応を確認する

実家を売るか残すか決まっていない場合は、その判断を急がず、将来の扱いを考えて名義を決めます。売却の依頼を相続登記の条件にはしません。

10年前の相続でも、現在の登記と相続人の状況から確認を始められます。

父名義のままの実家について相談するさいたま市浦和区の事務所/全国の不動産に対応

関連Q&A

2027年3月31日を過ぎると、相続登記ができなくなりますか?

期限を過ぎても相続登記はできます。ただし、正当な理由なく義務を果たさない場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。期限を過ぎたことだけで諦めず、現在の状況を確認します。

父の権利証が見つからなくても、相続登記できますか?

できます。亡くなったお父さまの権利証は、相続登記の必要書類ではありません。詳しくは「父名義の実家の権利証が見つからない場合」をご覧ください。

10年の間に相続人の一人が亡くなっています

亡くなった時期によって、その方の相続人も手続に関係することがあります。誰がいつ亡くなったかを確認し、相続関係を二段階に分けて整理します。

誰が実家を相続するか、まだ決まっていません

期限までに決まりそうにないときは、相続人申告登記で申請義務を果たす方法があります。最終的な名義を慌てて決める前に、期限への対応と遺産分割を分けて考えます。

この記事は一般的な手続の道筋を示すものです。遺言、相続人の死亡、争いの有無などにより必要な手続は変わります。

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