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相続登記の相談事例

父がどこに不動産を持っていたのか分かりません。どう調べればよいですか?

ご相談

再構成した相談例

父の通帳を見ると、市役所名で固定資産税らしい引落しがあります。実家の分なのか、ほかにも土地があるのか分かりません。残された書類も多く、どれが不動産に関係するのか判断できません。相続登記する不動産は、どう確認すればよいですか。

まず、不動産があると思った手掛かりから確認します

最初から名寄帳や新しい制度をすべて使う必要はありません。固定資産税の引落しや、手元にある不動産関係の書類など、なぜ不動産があると思ったのかを確認します。市町村が分かれば、一般的にはその市町村の資産税担当が最初の窓口です。

同じ相談でも、実家の場所は分かっているのか、ほかの土地もありそうなのか、手元に何があるのかによって確認方法は変わります。全員が同じ書類を同じ順番で用意するわけではありません。

今は、相続登記の申請書を書く段階ではありません。ゴールは、相続登記の対象になる土地と建物を確認できる状態にすることです。まず、すでに分かっている手掛かりから確認先を決めます。

最初に確認するのは、書類の名前ではありません

  • なぜ、不動産があると思ったのか固定資産税の引落しを見た、不動産に関係しそうな書類がある、家族から土地の話を聞いていた。まず、そのきっかけを確認します。
  • その手掛かりから、市町村が分かるか通帳の引落先や納税通知書の差出人から、課税している市町村が分かることがあります。通帳の記録だけで、土地の所在地まで分かるわけではありません。
  • 手元にある資料と、対象市町村までの距離相続関係を示す戸籍などを用意できるか、窓口へ行ける距離かによって、窓口・郵送・専門家への依頼のどれが無理のない方法かは変わります。

分かった手掛かりに合わせて、確認先を選びます

  • 通帳や手元の書類から、市町村が分かるかを見る

    固定資産税の引落先や、手元にある納税通知書などに市町村名があれば、その市町村が最初の照会先になります。書類がすべてそろうまで、手続を止める必要はありません。

  • 市町村の資産税担当へ、確認方法を聞く

    電話だけで個別の資産内容を教えてもらえるとは限りません。亡くなった方との相続関係を示す資料や、本人確認書類など、何が必要かを先に確認します。

  • 必要なら、名寄帳でその市町村の固定資産を確認する

    名寄帳は、固定資産課税台帳に登録された土地や家屋を、所有者ごとに確認するためのものです。名称や請求方法は自治体によって異なります。さいたま市では、固定資産名寄帳兼課税台帳の閲覧として案内されています。

  • 市町村が分からない、ほかにもありそうなら法務局の制度を検討する

    2026年2月2日に始まった所有不動産記録証明制度では、亡くなった方が登記名義人になっている不動産を全国から検索できます。ただし、検索条件や対象には限界があります。詳しくは「所有不動産記録証明制度とは?」で説明しています。

  • 候補が分かったら、現在の登記情報を確認する

    名寄帳や証明書は、相続登記をそのまま申請できる書類ではありません。候補となる土地や建物について、現在の名義、持分、抵当権などを登記情報から確認します。

固定資産税の引落しや手元の書類を手掛かりに、市町村の資産税担当と所有不動産記録証明制度を使い分け、現在の登記情報を確認する流れ
市町村が分かるときは、その市町村の資産税担当が一般的な入口です。市町村が分からない場合や、ほかにも不動産がありそうな場合は、法務局の制度も選択肢になります。

どこまで自分で進めるかは、手元の資料と距離で決めます

市町村が分かったからといって、必ず本人が窓口へ行かなければならないわけではありません。今ある資料と、対象市町村までの距離を見て、無理のない方法を選びます。

進め方向いている状況確認しておくこと
自分で確認する対象市町村が分かり、相続関係を示す書類などを用意できる。窓口や郵送の手続を自分で進められる。必要書類、請求方法、名寄帳に載る範囲は、市町村へ事前に確認します。
司法書士へ委任する県外など遠方に住んでいる。手元には通帳しかない。書類の確認や市町村とのやり取りから任せたい。分かっている手掛かりを伝えれば、どの市町村へ何を確認するかから進められます。

私なら、まず「なぜ不動産があると思ったのか」を伺います

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

いきなり名寄帳や戸籍を用意してもらうのではなく、手元に何があるかを伺います。固定資産税の引落しがあるなら、その相手先から市町村が分かることがあります。不動産に関係しそうな書類があれば、その書類が次の手掛かりになります。

そこから先は、何をどこまで用意できているか、対象の市町村からどれくらい離れて暮らしているかによって変えます。聞き慣れない言葉が続き、手続を進めること自体が負担なら、無理に全部を自分で確認しなくて大丈夫です。委任いただければ、分かっているところからこちらで確認します。

この相談で浦和ホームができること

通帳だけでも、分かっているところから確認できます

  • 固定資産税の引落先や手元の書類から、最初に照会する市町村を確認する
  • 市町村へ名寄帳などの請求方法と必要書類を確認する
  • 必要に応じて、所有不動産記録証明書を代理で請求する
  • 候補となる不動産の現在の登記情報を確認する
  • 確認できた土地と建物について、相続登記まで続けて手続する

書類を選び分けてから相談する必要はありません。メールが使いやすければ画像で、紙の方が扱いやすければ郵送で、そのままお送りください。郵送も負担であれば、関東圏内は訪問して確認することもできます。

何が分かっていて、どこから確認すればよいかを一緒に判断します。

亡くなった父の不動産調査を相談するさいたま市浦和区の事務所/全国の不動産に対応

関連Q&A

通帳の固定資産税の引落しだけで、土地の場所まで分かりますか?

通帳の表示から、課税している市町村が分かることはあります。ただし、土地や建物の所在地まで分かるとは限りません。市町村が分かれば、その資産税担当へ確認方法を聞きます。

名寄帳を取れば、父の不動産が全国分かりますか?

全国の不動産が分かるものではありません。名寄帳は、請求した市町村が管理する固定資産課税台帳を所有者ごとに確認する資料です。名称や載る範囲は自治体によって異なります。

市町村がまったく分からない場合は、どうしますか?

法務局の所有不動産記録証明制度を使う方法があります。ただし、亡くなった方の登記当時の氏名や住所によって検索結果が変わります。詳しくは「所有不動産記録証明制度の注意点」をご覧ください。

遠方の市町村でも、自分で確認しなければなりませんか?

必ず本人が窓口へ行くとは限りません。郵送で請求できる場合や、司法書士へ委任できる場合があります。必要書類や方法は市町村によって異なるため、先に確認します。

名寄帳や証明書に載った不動産は、そのまま相続登記できますか?

そのまま申請するのではありません。候補となる土地や建物について現在の登記情報を確認し、名義や持分などを見たうえで、相続登記の対象を確定します。

この記事は、亡くなった方に不動産があると思われるものの、その所在や範囲が分からない一般的な相談を前提にしています。市町村の制度、手元の資料、登記上の氏名・住所によって確認方法は変わります。

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