遺産分割協議書に財産目録を付けてもいい?本文と別紙の分け方をフローチャートで確認
ご相談
父の土地と建物、いくつかの預金口座を一覧にしました。実家は母、預金は子ども二人が取得することで話し合いもまとまっています。協議書の本文へ全部書くと長くなるので、財産目録を別紙にして付けてもよいのでしょうか。
財産の明細は別紙にし、本文で誰が取得するかを定めます
財産目録を別紙として付けても構いません。本文に取得者と別紙番号を書き、別紙にはその番号に対応する財産の明細を記載します。一覧を添えるだけでは分け方は決まりません。まず、本文の「別紙1」が、添付した別紙1の財産を指しているか確認しましょう。
別紙にする前に、何を確かめる?
- 調査用の一覧か、今回分割する財産の目録か調査用の一覧には、まだ分け方を決めていない財産も記載します。協議書の別紙にするときは、本文で取得者を定めた財産がどれか、目録の番号などで区別します。
- 取得者と別紙番号が対応しているか本文の「別紙1」「別紙2」が、実際の別紙にある財産と同じものを指しているかを確認します。一つの別紙に複数の財産がある場合は、目録の番号などで対象を区別します。
- 不動産や口座を特定できる記載になっているか「実家」「父の預金」という書き方ではなく、登記事項証明書や通帳などで対象を確かめます。不動産は登記された表示、預金は金融機関・支店・種類・口座番号などで特定します。
本文と財産目録は、何を書き分ける?
本文では、誰が何を取得するかという合意内容を定めます。明細が長くなるときは別紙に記載し、本文には「別紙1の不動産は○○が相続する」などと書きます。どの財産を誰が取得するのか、本文と別紙を読んで確認できる内容にします。
| 書面 | 主に書くこと | 対応のさせ方 |
|---|---|---|
| 協議書の本文 | 取得する相続人、取得する財産、共有なら取得する割合など | 「別紙1の不動産は○○が相続する」のように、取得者と対象を示します。 |
| 協議書に付ける別紙の目録 | 本文が指す不動産・口座などの特定情報 | 本文に「別紙1」と書いたら、該当する財産の目録にも「別紙1」と付けます。一枚に複数の財産を載せるときは、財産ごとの番号も使って区別します。 |
| 話合いのための財産目録 | 調査で分かった財産、残高や評価額など | 話し合いの資料です。その一覧を作っただけでは、誰が取得するかまでは決まりません。 |
一枚に収まる場合は、本文の後に「記」として財産の明細を続けても構いません。必ず別紙にする決まりではないため、財産と取得者が明確に対応する書き方を選びます。
財産目録と協議書の準備を確認するフローチャート
手元にあるのが調査用の一覧なのか、今回分割する対象の目録なのかを確かめます。
分かっている不動産や預貯金を整理します。誰が取得するかは、相続人全員で話し合って決めます。
財産目録を作っただけで、分割協議が成立するわけではありません。
本文の別紙番号、対象財産、取得者や割合が、合意内容と合っているかを確認します。
別紙も含めた最終文面を、相続人全員で確認します。
分け方と文面を確認できたら
全員が同じ最終文面を確認し、提出先の案内に沿って綴じ方や契印の押し方も確かめます。
準備の順番を確認するための図です。財産の範囲や合意内容に争いがある場合は、書面の作成とは別に解決が必要です。
作成ツールの本文と別紙は、どこを見る?
財産目録の画面からダウンロードするPDFは、「遺産目録」という題名の一覧です。不動産や預貯金などを整理した資料であり、取得者を定める協議書ではありません。
その後、相続人を入力し、「遺産分割」の画面で各財産の取得者を割り当てると、「協議書」の画面で文面を確認できます。不動産は本文に「別紙1」などと記載されます。同じPDFの本文に続くページに、その不動産の明細を記載した別紙1が出力されます。預貯金などの明細は本文に記載されます。
たとえば、見本花子さんが土地を取得すると入力した場合、本文と別紙は次のように対応します。以下は架空の入力に基づく文面の抜粋です。
本文で、別紙1の財産を取得する人を定めています。
本文の「別紙1」は、この土地の表示を指します。実際の表記は入力内容や不動産の種類によって異なります。
本文の「別紙1」が、添付した別紙1の土地を指しているかを確認します。土地と建物の両方がある場合は、それぞれの別紙と本文の取得者を照合します。亡くなった方が不動産の持分を持っていた場合は、その持分の割合も確かめます。
このツールは、各相続人が同じ協議内容を証明する「遺産分割協議証明書」を、一人につき一通ずつ出力します。各通に本文と不動産の別紙が付きます。自分が取得する財産だけを見るのではなく、別紙を含む協議内容の全体を確認します。
財産目録へ入力しただけで、すべての財産が協議書に記載されるわけではありません。取得者を割り当てていない財産は、協議書の本文や不動産の別紙には出力されません。今回分割すると決めた財産がすべて記載されているか、ダウンロードしたPDFで確認します。
不動産の表示を詳しく確認したいときは「遺産分割協議書の不動産の書き方」、一部の財産だけ先に分ける場合は「不動産だけの遺産分割」で説明しています。
別紙を付けたら、契印はどこに押す?
署名・押印の前に、本文と別紙の番号・内容・ページ順を確認します。相続登記に使う複数枚の協議書では、本文とすべての別紙を一緒に綴じて契印をします。押す人と場所、製本テープを使う場合の説明は「遺産分割協議書の契印・割印」をご覧ください。
銀行や証券会社にも提出する場合は、それぞれの案内も確認します。全員が確認して署名したあとに、一覧だけを更新して差し替えることは避けます。財産や分け方を変えるなら、変更内容について全員で確認し、書面もそれに合わせます。
本文と別紙で、同じ財産を指しているか?

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
財産が多い場合は、本文にすべての明細を書かず、別紙の目録に記載すると読みやすくなります。ただ、財産の表示を正確に書くだけでは、誰が取得するかは分かりません。本文と別紙を通して、合意した分け方を確認できるようにします。
私なら、本文の取得者と別紙の財産が対応しているかを確認します。別紙番号が合っているか、土地と建物のどちらかが抜けていないかも見ます。どこを直せばよいか分からない場合は、今ある一覧や書面をもとに一緒に確認しましょう。
不動産や預貯金を入力して、財産目録を作れる
- 分かっている不動産や預貯金を、一つの画面で整理する
- 「財産目録をダウンロード(PDF)」から一覧を出力する
- 取得者が決まったら、入力済みの財産を使って協議書を作成する
財産目録は、何があるかを共有して話し合うための資料です。誰が取得するかは、相続人全員の話合いで決めます。入力やPDFの作成はブラウザ内で行います。

財産目録と別紙でよくある質問
財産目録を付ければ、本文に取得者は書かなくてもいい?
財産の一覧だけでは、誰が何を取得するかは決まりません。本文で取得者を定め、別紙番号や目録の番号を使って対象財産を明確にします。目録に取得者欄を設ける書式もありますが、本文と目録を通して分け方を確認できる内容にします。
協議書には、必ず別紙の目録を付ける?
必ず別紙にする必要はありません。財産が少ない場合は本文に明細を続けて記載できます。別紙にする場合も、どの財産を誰が取得するのかが分かることが大切です。
財産目録のPDFを、そのまま協議書の別紙として使える?
このツールの財産目録PDFは、入力した財産を一覧にした話合い用の資料です。一方、協議書の不動産別紙は、取得者を割り当てた後に、本文と一緒に別のPDFとして出力されます。財産目録PDFを添えるだけで、協議書の不動産別紙の代わりになるわけではありません。
自筆証書遺言の財産目録と、同じ作り方でいい?
自筆証書遺言には、添付する財産目録の各ページへの署名・押印など、遺言固有の方式があります。遺産分割協議書とは別の制度です。遺言の財産目録のルールを、そのまま協議書の別紙に当てはめないようにします。自筆証書遺言の財産目録のルール