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遺産分割協議書の相談事例

不動産だけの遺産分割協議書は作れる?預貯金は後から|無料作成ツール付き

ご相談

再構成した相談例

父が亡くなり、相続人は母と子ども二人です。実家の土地と建物は母が相続することで、全員の意見が一致しています。ただ、父の銀行口座がいくつあるか分からず、預貯金の調査はまだ終わっていません。不動産だけの遺産分割協議書を作り、先に相続登記をしてもよいのでしょうか。

全員が合意すれば、不動産だけ先に分けられます

相続人全員が合意していれば、不動産だけ先に遺産分割できます。預貯金の調査が終わるまで、協議書の作成を待つ必要はありません。まず、今回分ける不動産と、後で話し合う財産を全員で確認します。

協議書は財産ごとに作ることも、不動産の管轄法務局ごとに分けることもあります。すべての財産を一つの協議書にまとめなければならない、という決まりではありません。

不動産だけ先に分ける前に、何を確認する?

  • 今回分ける土地・建物と、その取得者登記事項証明書で対象の土地・建物を確認し、取得者を決めます。
  • 相続人全員の合意実家を取得する方だけで決めることはできません。不動産だけ先に分けることも、その分け方も、相続人全員で合意します。
  • 預貯金など、今回は分けない財産の扱い預貯金など、後で調査して分ける財産を確認します。不動産を先に取得した分を、後の預貯金の配分で調整するかどうかも話し合います。

預貯金の調査中でも、協議を進められる?

遺産の一部だけを先に分ける方法を「一部分割」といいます。民法907条1項は、相続人が協議で遺産の全部または一部を分割できると定めています。実家の分け方を先に決め、預貯金は調査後に協議することができます。

「不動産だけの協議」と「一部の相続人だけの協議」は違います。先に分ける財産が不動産だけでも、協議には相続人全員の合意が必要です。

  • 対象の不動産と取得者を決める

    実家の土地・建物など、今回分ける財産を特定します。土地の一部の持分だけを所有していた場合は、その持分が対象です。

  • 後で分ける財産を確認する

    預貯金の分け方は調査が終わってから話し合うことを、相続人全員で合意します。

  • 今回の合意を協議書にする

    不動産の表示、取得者、今回の対象範囲を記載し、相続人全員が内容を確認して署名・押印します。

  • 不動産の相続登記を申請する

    協議書や戸籍などの必要書類をそろえ、不動産を管轄する法務局へ相続登記を申請します。

相続登記で必要な書類は「遺産分割協議をして相続登記する場合の必要書類」で確認できます。

協議書を分ける方法と、書き方は?

不動産と預貯金の協議書を別々に作成できます。複数の地域に不動産がある場合は、管轄法務局ごとに協議書を作る方法もあります。管轄が違うからといって、必ず協議書まで分ける必要があるわけではありません。

書面の分け方今回の協議書に書く内容ほかの財産の扱い
不動産と預貯金を分ける実家の土地・建物と取得者預貯金は調査後に別途協議する。
不動産の管轄ごとに分けるその書面で対象とする不動産と取得者ほかの管轄の不動産は、それぞれの協議書に対象の物件と取得者を書きます。
すべてを一つにまとめる合意できている財産と、それぞれの取得者一つの協議書に、対象の財産と各取得者を書きます。

書面を分けた場合も、各協議書の内容について相続人全員で合意し、全員が署名・押印します。不動産を取得しない相続人も、協議に参加します。

すべての財産の分け方が決まっていれば、不動産用と預貯金用に協議書を作成しても構いません。預貯金の分け方が未定なら、「預貯金は後で協議する」と文面にも書いておきます。

今回の対象を不動産に限り、預貯金などは後で協議する場合の文例です。不動産の表示は、本文または別紙で具体的に記載します。

一部分割の文例(説明用)
第1条 被相続人の遺産のうち、別紙不動産目録記載の土地及び建物は、相続人○○が取得する。 第2条 本協議は、前条の不動産についての一部分割とする。預貯金その他本協議の対象としていない遺産については、相続人全員で別途協議する。

遺言による指定がなく、成人した相続人全員で合意する場合の説明用の文例です。対象の財産と、ほかの条項を確認して調整します。

預貯金を後で協議する場合に、「本書に記載のない財産はすべて○○が取得する」という条項を使うと、意図した分け方と食い違うおそれがあります。「ほかに債権債務がない」と確認する清算条項も、保留する財産の扱いと矛盾しないかを確認します。

あとから預貯金の存在が判明しても、先に成立した不動産の合意が当然に無効になるわけではありません。遺産全体の金額を確認してから最終的な取り分を調整したい場合は、調整するかどうかや、その方法も署名前に相続人全員で話し合い、合意した内容を記載します。

まだ調査中の預貯金と、協議後に初めて見つかった財産は分けて考えます。後者については「遺産分割協議のあとに財産が見つかったら」で説明しています。

無料作成ツールで入力する順番

  • 亡くなった方と相続人全員を入力する

    不動産を取得する方だけでなく、協議に参加する相続人全員を入力します。

  • 今回分ける不動産と取得者を入力する

    「財産と分け方」には、今回合意する不動産を追加します。調査中の預貯金を、仮の残高や取得者で入力する必要はありません。

  • 一部分割の条項を追加し、合意に合わせて編集する

    「条項を追加」から「分割方法」の「一部分割(残余財産の後日分割)」を選びます。追加後の「編集」で、今回分ける不動産と、後で協議する財産を明記します。

  • プレビューを確認し、PDFを作成する

    不動産の表示、取得者、保留する財産の範囲を確認します。PDFは、同じ協議内容を相続人それぞれが証明する「遺産分割協議証明書」として出力されます。各自が内容を確認し、自分の証明書に署名・押印します。

一部分割の定型文は、合意内容に合わせて編集します

ツールの一部分割の定型文には、後の分割で財産の評価額や取得割合を調整する内容も含まれます。すべての一部分割で必要な取り決めではありません。全員で決めた内容を記載し、不要な文言や〔 〕の空欄を残さずに編集します。

私なら、今回決める財産に合わせて書面を分けます

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

財産ごとに遺産分割協議書を作ることはあります。不動産についても、管轄法務局ごとに分けて作成する場合があります。預貯金の調査が残っていても、不動産の取得者が全員の合意で決まっていれば、その不動産についての協議書を先に作成できます。

確認したいのは、今回決めた範囲が、全員の間で一致しているかです。預貯金は後で話し合う予定なら、残りの財産もすべて一人が取得する文面にしないようにします。今回の合意を協議書へ正確に記載します。

今回分ける不動産と取得者が決まったら

不動産だけの協議書も、入力から作成できます

  • 亡くなった方と相続人全員を入力する
  • 今回分ける不動産と取得者を入力する
  • 一部分割の条項を合意に合わせて編集する
  • プレビューを確認し、相続人ごとのPDFを作成する

協議書の書き方に迷っていても、ご相談ください。今回どの不動産を分けるか、後の協議に残す財産は何かを一緒に確認し、書面作成と相続登記までお手伝いできます。

相続人と不動産を入力し、預貯金などは後で協議することを条項へ記載できます。

不動産だけの遺産分割協議書を作成する

文面の確認や相続登記も任せたい方へ

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無料/条項を編集してPDF出力
架空の情報で不動産と取得者を入力し、遺産分割協議証明書のプレビューを確認する操作例
操作の例(架空の情報)
不動産を取得しない相続人の署名も必要?

必要です。今回の財産を取得するかどうかにかかわらず、相続人全員で合意して書面を作ります。協議書と印鑑証明書の準備は「遺産分割協議による相続登記の必要書類」で説明しています。

預貯金を後で分けるとき、不動産の協議書も作り直す?

不動産について合意した内容を変えないのであれば、作り直す必要はありません。後で協議する預貯金について別の書面を作ります。そのためにも、最初の書面で今回の対象と後で協議する財産を明確にしておきます。

別の県の土地も、一つの協議書にまとめられる?

一つの協議書にまとめることも、管轄ごとに協議書を作ることもできます。申請先が複数になる場合は、原本還付を利用した提出の順番や、必要な原本の通数も確認します。提出先は「相続登記の管轄法務局」で説明しています。

相続税の申告も、預貯金が分かるまで待てる?

相続税の申告期限は、一部分割をしても変わりません。申告の要否や、まだ分けていない財産の申告方法は、税務署や税理士に確認してください。詳しくは国税庁の「相続財産が分割されていないときの申告」をご覧ください。

遺言や契約で分割を禁止しておらず、相続人が確定し、成人した相続人全員で合意する場合の一般的な説明です。未成年者がいる場合などは、別の確認や手続が必要です。税の申告や特例は、一部分割の可否とは分けて確認します。

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