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相続登記の用語・書類解説

複数枚の遺産分割協議書に契印は必要?綴じ方と割印との違い

ひとことで言うと

契印は、複数枚で一つになる書面のページ同士をつなぐ押印です。遺産分割協議書が複数枚なら、各ページの綴じ目に、協議書へ署名した相続人全員がそれぞれ自分の実印で契印します。

複数枚を、一つの遺産分割協議書としてまとめるために契印します

協議書が一枚なら、ページのつながりを示す契印は必要ありません。二枚以上になると、本文、財産の一覧、署名欄などが別の紙に分かれます。契印は、そのページが署名・押印した協議書の続きであることを示し、後から一部だけを入れ替えにくくするための押印です。

相続登記に使うなら、全員の実印で契印します

東京法務局の相続登記Q&Aでは、遺産分割協議書が複数枚にわたる場合、全ページにわたり、全員が協議書へ押した印鑑で契印する取扱いが示されています。協議書本文には実印を使うため、契印にも同じ実印を使います。

契印がないことだけで、相続人全員の合意が当然になくなるという意味ではありません。ただし、完成した協議書は法務局や金融機関へ提出する大切な原本です。署名と実印を集め直さずに済むよう、複数枚なら最初から契印まで済ませておくのが分かりやすい形です。

ホチキスで留め、ページを折り返して平らな綴じ目へ押します

ホチキスの針がある場所へ、そのまま印鑑を押そうとすると、紙の段差で印影が欠けやすくなります。私なら、左側をホチキスで留めたあと、前の用紙を半分ほど折り返します。前の用紙の裏面と次の用紙の表面が接する綴じ目を平らに出し、その境目へ押します。法務局の申請案内でよく示される、書類を一枚開いて綴じ目へ押す形です。

複数枚の遺産分割協議書を左側でホチキス留めし、前の用紙を半分ほど折り返して平らな綴じ目へ相続人全員が契印する方法
ホチキスの針の上へ押すのではなく、前の用紙を折り返してできる平らな境目へ押します。印影は前後二枚の用紙にかかるようにします。
  • 最終のページ順を確認し、左側をホチキスで留める

    本文、財産の表示、署名欄を最終内容で印刷し、一組ずつそろえます。署名後にページを足したり順番を替えたりしないよう、先に完成形を作ります。

  • 1枚目を半分ほど折り返し、2枚目との境目を出す

    ホチキスの針を押印台にせず、1枚目の裏面と2枚目の表面を見開きにします。紙を強く折り込む必要はなく、印鑑を垂直に置ける程度に平らにできれば十分です。

  • 境目の中央へ、全員が自分の実印を押す

    一つの印影の半分が前の用紙、もう半分が次の用紙へかかる位置に押します。相続人が三人なら、同じ綴じ目に三人分を、重ならないよう縦に並べます。

  • 次のページとの境目にも同じように押す

    三枚なら、1枚目と2枚目の間、2枚目と3枚目の間の二か所です。原本を複数通作った場合は、提出・保管する各原本に契印します。

一つの協議書と、相続人ごとの協議証明書では押す人が違います

書面の作り方契印する人
一つの遺産分割協議書へ全員が署名する各ページの綴じ目に、相続人全員がそれぞれ自分の実印を押します。
相続人ごとの遺産分割協議証明書に分ける一人分の証明書が複数枚なら、その証明書を作成する本人が、自分の実印で契印します。

協議書へ押す実印と印鑑証明書の関係は「印鑑証明書とは?」、相続人ごとに協議証明書を分ける方法は「遺産分割協議書は何通作ればよいですか?」で説明しています。

枚数が多いときは、製本テープで左端を包む方法もあります

製本テープは、ホチキスで留めた書類の背を覆う、紙のような表面の粘着テープです。不動産会社などでは身近でも、普段の生活で使うことは少ない文具です。二、三枚の協議書のために、必ず購入するものではありません。ページを折り返して各綴じ目へ押す方法で十分です。

製本テープが向く場合

財産目録や別紙が多く、ページごとの綴じ目へ何度も契印する負担を減らしたい場合です。ホチキスで留めた左端をテープで包み、テープと表紙の境目、テープと裏表紙の境目へ契印します。

選ぶときの注意

表面がつるつるした補修テープではなく、印鑑を押せる紙製・契約書製本用などの表示があるものを選びます。本番前に端材へ試し押しをすると、にじみや乾き方を確認できます。

貼るタイミング

全員が確認した最終文面を、正しい順番でそろえた後です。貼った後にページを差し替える場合は、古いテープを継ぎ足さず、一組を印刷し直して綴じ直します。

製本テープを使っても、本文の実印は省けません

製本テープと表紙の境目にする契印は、ページを一つにまとめるためのものです。協議書末尾の署名・実印や、印鑑証明書の添付とは役割が違います。

契印はページをつなぎ、割印は複数の原本の関係を示します

契印と割印は、どちらも印影が二つの紙にまたがるため、見た目がよく似ています。違いは、何と何をつなぐために押すかです。法務局などの案内で「契印(割印)」と併記されることもありますが、この記事では次の目的で呼び分けます。

一つの協議書のページ同士をつなぐ契印と、二通の完成した原本を重ねて関係を示す割印の違い
契印は一つの原本の内側、割印は別々に完成した書面の間に押します。割印をしても、それぞれの原本に必要な契印の代わりにはなりません。
用語目的押す場所
契印一つの書面のページが続いていることを示す各ページの綴じ目、または製本テープと表紙・裏表紙の境目
割印別々に完成した二通以上の書面が、同じ機会に作られた関係にあることを示す二通の原本などを少しずらして重ね、その両方に印影が残る位置

銀行や証券会社へも使う場合は、提出先の案内も確認します

相続登記で使う複数枚の協議書は、全員の実印で契印まで済ませます。銀行や証券会社では、遺産分割協議書とは別に所定の相続届を使うことや、原本の綴じ方を案内していることがあります。複数の手続に同じ協議書を使うなら、署名・押印前に各提出先の案内へ目を通しておくと、作り直しを減らせます。

自分で作成する

完成したPDFのページ数を確認してから、署名・実印へ進めます

  • 相続人と財産、誰が何を取得するかを入力してPDFを作る
  • 全員分の最終文面とページ順を確認し、一組ずつ左側を綴じる
  • 複数枚になった証明書は、その本人が自分の実印で契印する

浦和ホームの作成ツールは、相続人一人につき一通の遺産分割協議証明書を出力します。入力内容はブラウザ内で処理され、サーバーへ送信されません。

まずPDFを出力し、一人分ずつ何枚になるかを確認します。

遺産分割協議書作成ツールを使う無料/入力内容はブラウザ内で処理

遺産分割協議書の契印についてよくある質問

遺産分割協議書が二枚なら、どこへ契印しますか?

二枚を左側でホチキス留めし、一枚目を半分ほど折り返します。一枚目の裏面と二枚目の表面の境目へ、印影が両方の紙にかかるよう、相続人全員が自分の実印を押します。

契印は相続人のうち一人だけでもよいですか?

一つの遺産分割協議書へ全員が署名する形なら、各ページの綴じ目に相続人全員が契印します。相続人ごとの遺産分割協議証明書なら、その証明書を作成する本人が契印します。

契印にも実印を使いますか?

協議書末尾へ押したものと同じ、本人の実印を使います。認印や別の印鑑へ替えず、印鑑証明書と対応する実印でそろえます。

製本テープは必ず必要ですか?

必須ではありません。二、三枚なら、ホチキスで留めてページを折り返し、各綴じ目へ契印する方法で足ります。ページ数が多いときに、紙製の製本テープで左端を包む方法を選べます。

同じ協議書を三通作る場合、三通を重ねて割印すれば契印は不要ですか?

割印と契印は役割が違います。三通を重ねた割印は、三通の関係を示すためのものです。各原本が複数枚なら、それぞれの原本のページ同士には別に契印をします。

この記事は、相続人が確定し、全員が同じ内容に合意した一般的な遺産分割協議書・遺産分割協議証明書の契印を説明しています。海外在住者など実印を用意できない方がいる場合や、提出先から綴じ方の指定を受けている場合は、その案内に合わせてください。

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