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相続登記の相談事例

相続登記の期限が近いのに、誰が実家を相続するか決まりません

ご相談

再構成した相談例

父名義の実家があります。相続人は母と子ども二人ですが、母が住み続けるのか、子どもの誰かが相続するのか、まだ決まりません。相続登記の期限が近いと聞きました。間に合わせるため、急いで誰か一人に決めなければならないのでしょうか。

期限のためだけに、実家を相続する人を決める必要はありません

期限のためだけに、実家を相続する人を無理に決める必要はありません。話合いがまとまり、期限までに申請できるなら、その内容で相続登記をします。難しければ、相続人申告登記でまず申請義務に対応し、誰が実家を引き継ぐかはその後も話し合えます。

相続人申告登記は、実家の取得者を決める登記ではありません。登記簿上の所有者が亡くなったことと、自分がその相続人であることを申し出て、期限までの基本的な申請義務を果たす制度です。詳しい意味は「相続人申告登記とは?」で説明しています。

最初に確認するのは、期限と話合いの現在地です

「まだ決まっていない」という同じ言葉でも、もう合意の直前なのか、考え方が分かれているのかで、期限までにできることは変わります。次の三つを分けて確認します。

  • 相続登記の期限は、具体的にいつか死亡日だけで決めつけず、自分が相続人になったことと、父名義の実家があることを知った日を確認します。期限の数え方は「相続登記の3年はいつから数えるか」で整理しています。
  • 実家の取得者について、どこまで話合いが進んでいるか取得者はほぼ決まり書類を整える段階なのか、住む・売る・残すところから決まっていないのかを確認します。期限までに協議だけでなく、登記申請までできるかで判断します。
  • 実家を近いうちに売却したり、担保に入れたりする予定があるか相続人申告登記だけでは、売却や抵当権の設定はできません。近く処分する予定がある場合は、取得者を決めた相続登記まで進める必要があります。

期限までに相続登記できるかで、二つの進み方に分かれます

期限までに遺産分割と相続登記ができる場合はその内容で登記し、難しい場合は相続人申告登記で義務に対応して話合いを続ける流れ
期限までに最終的な相続登記ができるかを見ます。難しければ、相続人申告登記で期限へ対応した後も、実家の取得者について話合いを続けられます。
  • 実家の登記と、相続登記の期限を確認する

    誰の名義で、土地・建物のどこまでが対象なのかを登記で確認し、期限の日付を決めます。

  • 期限までに、遺産分割と登記申請までできるかを見極める

    取得者がほぼ決まり、必要な戸籍や協議書も準備できるなら、その内容で相続登記を進めます。

  • 間に合わない場合は、相続人申告登記を申し出る

    申出をした相続人について、基本的な相続登記の申請義務を果たしたものと扱われます。一人だけが申し出た場合、ほかの相続人まで自動的に義務を果たしたことにはなりません。

  • 期限への対応後も、実家の取得者について話し合う

    相続人申告登記をしたからといって、実家の取得者が決まるわけではありません。住む方、管理する方、将来の売却などを含めて話合いを続けます。

  • 遺産分割が成立したら、その内容で相続登記をする

    遺産分割で実家を取得した方は、成立した日から3年以内に、その内容に合う相続登記を申請します。

遺産分割による相続登記と、相続人申告登記の違い

何が登記されるか向いている状況その後
遺産分割による相続登記話合いで実家を取得した方と、その持分が登記されます。取得者について全員が合意し、期限までに必要書類をそろえて申請できる場合です。登記が完了すれば、取得した方の名義で売却などの手続へ進めます。
相続人申告登記申出をした方の氏名・住所などが付記されます。実家の取得者や持分を決める登記ではありません。期限までに遺産分割や最終的な相続登記をすることが難しい場合です。話合いが成立したら、成立日から3年以内に、その内容に合う相続登記が必要です。
相続人申告登記だけでは、実家を売却できません

相続人申告登記は、期限までの基本的な申請義務に対応するための制度です。不動産の権利関係を示す相続登記ではないため、実家の売却や抵当権の設定には、別途、相続登記が必要です。

私なら、話合いの期限と、登記の期限を分けます

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

相続登記の期限が近いという理由だけで、実家を誰か一人の名義に決めることは勧めません。住み続けるのか、維持費を誰が負担するのか、いずれ売るのか。名義を決める前に考えることが残っているからです。

まず、期限までに遺産分割の内容で申請できるところまで話合いが進んでいるかを確認します。そこまで進んでいなければ、期限への対応だけを先にします。誰が実家を引き継ぐかは、相続人申告登記とは切り離して考えます。

この相談で浦和ホームができること

期限への対応と、実家の名義を決める話合いを分けて進めます

  • 父名義の土地・建物と、相続登記の期限を確認する
  • 戸籍を収集し、相続人を確認する
  • 期限までに遺産分割による相続登記ができるかを整理する
  • 難しい場合は、相続人申告登記の申出を準備する
  • 話合いが成立した後、その内容に合う相続登記を申請する

実家を誰が相続するか決まっていない段階でも相談できます。期限までに必要な対応と、まだ決めなくてよいことを分けます。

戸籍収集から期限の確認、相続人申告登記または相続登記の申請まで、一つの窓口で進められます。

期限が近い相続登記を相談する司法書士報酬99,000円/相続に必要な書類の収集から対応

関連Q&A

相続人の一人が相続人申告登記をすれば、全員が期限を守ったことになりますか?

なりません。申出をした相続人についてのみ、基本的な申請義務を果たしたものと扱われます。全員について対応するには、全員がそれぞれ申し出るか、複数人分をまとめて申し出ます。

相続人申告登記をした後も、相続登記が必要ですか?

その後に遺産分割が成立した場合は、実家を取得した方が、成立日から3年以内にその内容に合う相続登記を申請します。相続人申告登記だけで取得者の名義には変わりません。

相続人申告登記をすれば、実家を売却できますか?

売却できる状態にはなりません。相続人申告登記は不動産の権利関係を示す登記ではないため、売却するには取得者を決め、その方への相続登記を終える必要があります。

期限までに遺産分割は成立しましたが、相続登記の申請が間に合いません

期限内の申請が難しいときは、相続人申告登記で基本的な義務へ対応する方法があります。ただし、遺産分割で実家を取得した方は、成立日から3年以内にその内容に合う相続登記も必要です。

この記事は、相続人と対象不動産が判明しているものの、誰が実家を取得するか決まっていない一般的な場面を説明しています。遺言書、相続放棄、連絡が取れない相続人、判断能力に不安のある相続人、紛争がある場合は、別の確認や手続が必要です。

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