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相続登記の相談事例

相続登記の登録免許税は、課税明細書のどの数字で計算しますか?

ご相談

再構成した相談例

父名義の実家について、相続登記の登録免許税を計算しようとしています。固定資産税の課税明細書は手元にありますが、「価格」「課税標準額」「税額」と数字がいくつも並んでいます。シミュレーターには、どの数字を入力すればよいのでしょうか。

登録免許税の計算には、「価格」または「評価額」の欄を使います

相続登記の登録免許税は、課税明細書にある土地と建物の「価格」または「評価額」をもとに計算します。「課税標準額」や「固定資産税額」ではありません。まずは、相続登記する土地と建物の価格欄をそれぞれ確認できれば大丈夫です。

似た名前の数字が横に並んでいるので、どれを使うのか分からなくなるのは無理もありません。課税標準額は固定資産税を計算するために調整された数字です。登録免許税では、市区町村の固定資産課税台帳に登録された価格を使います。

数字を写す前に、三つだけ確認します

計算式より先に、手元の書類と相続登記の対象を合わせます。ここが合っていれば、どの数字を入力するのかが見えやすくなります。

  • 納税通知書に付いている「課税明細書」のページか納付する税額だけが書かれたページではなく、土地・家屋が一つずつ記載されている明細を見ます。自治体によって、納税通知書と一緒に綴られている場合と、別紙になっている場合があります。
  • 相続登記する土地と建物が載っているか同じ実家でも、土地と建物は別々に記載されます。土地が二筆あれば、土地の行が複数に分かれていることもあります。
  • 亡くなった方の名義と持分が合っているか課税明細書だけで現在の登記名義や持分を確定するのではなく、登記事項証明書と照らします。共有持分だけを相続する場合は、価格にもその持分を反映します。

架空の課税明細書で、見る欄を確認します

課税明細書の様式や欄の名前は、市区町村によって少し異なります。さいたま市では「価格(円)」という欄です。別の自治体で「評価額」と表示されている場合も、同じ意味の欄を確認します。

架空の固定資産税課税明細書で、土地と家屋の価格欄を登録免許税シミュレーターへ入力し、課税標準額と税額は入力しないことを示す図
説明用に作成した架空の課税明細書です。土地と家屋の「価格」をそれぞれ確認します。
  • 相続登記する不動産の行を見つける

    所在地番や家屋番号を登記事項証明書と見比べ、相続登記する土地・建物に対応する行を確認します。

  • 「価格」または「評価額」を円単位で読む

    同じ行にある課税標準額や税額ではなく、価格の欄を使います。桁が多いため、入力後にもう一度見比べます。

  • 土地と建物を分けて入力する

    登録免許税シミュレーターの土地欄には土地の価格を、建物欄には建物の価格を入力します。どちらか一方だけを相続登記する場合は、対象となる方だけを入力します。

  • 計算結果の内訳を確認する

    相続による所有権移転登記は、原則として不動産の価額の0.4%です。シミュレーターでは、土地と建物の内訳を分けて確認できます。

「価格」「課税標準額」「税額」は、役割が違います

課税明細書の欄何を表す数字かシミュレーターへの入力
価格・評価額市区町村の固定資産課税台帳に登録されている不動産の価格です。この数字を使います。土地と建物をそれぞれ確認します。
課税標準額住宅用地の特例や負担調整などを反映し、固定資産税・都市計画税を計算する基礎になる数字です。登録免許税シミュレーターには入力しません。
固定資産税額・都市計画税額課税標準額に税率などを反映して算出された、納付する税金です。登録免許税シミュレーターには入力しません。
土地と建物は別々に確認します

実家一軒でも、登記上は土地と建物が別々の不動産です。土地だけ、建物だけの数字を見て終わらず、相続登記の対象となるものを一つずつ課税明細書と登記で照らします。

さいたま市の課税明細書では「⑫価格(円)」を見ます

さいたま市の課税明細書では、土地・家屋ともに「⑫価格(円)」が評価額です。その右側に、前年度課税標準額、固定課税標準額、都市計画税の課税標準額、税額などが並びます。登録免許税の計算で入口になるのは「⑫価格(円)」です。

ただし、分譲マンションの土地欄には敷地全体の価格が表示されることがあります。マンション、共有持分、土地が複数筆ある場合は、表示された価格をそのまま一つの欄へ入れる前に、登記事項証明書の持分と対象不動産を確認します。

私なら、計算する前に課税明細書と登記を並べます

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

登録免許税の計算式そのものは、それほど長くありません。実際に迷いやすいのは、課税明細書のどの行が相続登記する不動産で、その行のどの数字を使うのかというところです。

私はまず、課税明細書と現在の登記事項証明書を並べます。土地、建物、持分を一つずつ対応させてから、「価格」の数字を拾います。計算を始めるのは、その後です。

課税明細書を見ても分からないということは、珍しいことではありません。計算が苦手だからではなく、普段使わない数字が一枚に並んでいるためです。まず価格欄が分かれば、一般的な土地と建物の概算はシミュレーターで確認できます。

無料の登録免許税シミュレーター

土地と建物の価格が分かれば、登録免許税を概算できます

  • 登記の原因で「相続」を選ぶ
  • 土地の「価格」または「評価額」を入力する
  • 建物の「価格」または「評価額」を入力する
  • 登録免許税の概算と、土地・建物の内訳を確認する

課税標準額や固定資産税額ではなく、「価格」または「評価額」を入力します。複数筆、共有持分、マンション、価格のない私道が含まれる場合は、登記と照らしてから計算します。

課税明細書の価格欄が確認できたら、その数字を使って試算できます。

登録免許税を計算する相続・売買・贈与に対応/入力内容はブラウザ内で計算
土地と建物の固定資産税評価額を入力すると、登録免許税の概算額と内訳が表示されるシミュレーターの画面イメージ
サンプルの評価額を入力した場合の表示例です。

関連Q&A

課税明細書に「評価額」がなく、「価格」と書かれています

「価格」が固定資産税評価額を表している場合は、その数字を使います。さいたま市の課税明細書では「⑫価格(円)」と表示されています。自治体によって欄名が異なるため、明細書の説明も合わせて確認します。

納税通知書にある「納付年税額」を入力しますか?

納付年税額は入力しません。登録免許税の計算に使うのは、土地・家屋ごとの「価格」または「評価額」です。納付額が書かれたページではなく、資産ごとの課税明細を見ます。

土地と建物の価格は、合計して入力しますか?

一般向けシミュレーターでは、土地欄と建物欄へ分けて入力します。土地や建物が複数に分かれている場合は、対象となる不動産を登記と照らし、複数筆に対応した計算方法を使います。

父が持分2分の1だけを持っていた場合はどうしますか?

相続登記するのが2分の1の持分であれば、原則として固定資産税評価額にも2分の1を反映します。持分は課税明細書だけで決めず、現在の登記事項証明書で確認します。

私道の価格欄が空欄なら、0円で入力してよいですか?

0円とは限りません。固定資産課税台帳に価格がない不動産は、管轄法務局が認定する価額を使います。価格のない私道は、通常の土地・建物とは分けて確認します。

この記事は、固定資産課税台帳に価格が登録されている土地・建物について、相続による所有権移転登記の登録免許税を概算するための一般的な見方を説明しています。複数筆、共有持分、区分所有建物、非課税の私道、免税措置が関係する場合は個別に確認します。

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