父名義の土地に抵当権が残っています。相続登記は進められますか?
ご相談
父名義の土地を相続することになり、登記事項証明書を取りました。父の名前のほかに、銀行の抵当権も載っています。住宅ローンは終わっていると聞いた気もしますが、書類はまだ確認できていません。抵当権を消さないと、土地の相続登記はできないのでしょうか。
抵当権が残っていても、相続登記は進められます
抵当権抹消登記を先にしなくても、父名義の土地を相続人名義にする相続登記は進められます。ただし、名義を変えても抵当権の登記は自動では抹消されません。まず現在の登記で抵当権の内容を確かめ、ローンが残っているかは金融機関の資料などで別に確認します。
登記簿に銀行の名前が残っていると、土地の名義変更まで進められないように思えるかもしれません。土地の所有者を変える相続登記と、抵当権抹消登記は別の手続です。
いま、何が登記されているかを確認します
- 土地の現在の名義お父さま名義だと思っていても、まず登記事項証明書で現在の所有者を確認します。もし祖父名義のまま残っていれば、相続の順番から確認する必要があります。
- 抵当権が付いている不動産と相手方土地だけなのか、建物にも登記があるのかを、それぞれの登記事項証明書で確かめます。抵当権者と、登記に記載された債務者もあわせて確認します。
- 返済状況が分かる資料登記簿には、現在のローン残高や完済しているかどうかまでは載りません。返済予定表や完済時に受け取った書類が手元にあれば、登記とは別に確認できます。
相続登記と抵当権抹消登記は別の手続です
| 手続 | 何を登記に反映するか |
|---|---|
| 相続登記 | 父から、土地を取得する相続人への名義変更です。抵当権が残っていても進められます。 |
| 抵当権の抹消登記 | 完済などで抵当権が消滅したあとに、その登記を抹消するための別の申請です。相続登記をしても自動では抹消されません。 |
抵当権は、借入れなどの返済を担保するために不動産に付ける権利です。ただし、土地に抵当権が付いているからといって、直ちにあなたがその借入れの返済義務を負うと決まるわけではありません。土地の所有者と、実際にお金を借りた人が異なっていることもあります。
- 現在の登記と、返済状況を別々に確認する
登記事項証明書で所有者と抵当権の内容を見ます。返済が終わっているかは、手元の金融機関の書類や金融機関への照会で確かめます。
- 土地を取得する相続人への相続登記を進める
遺言書や遺産分割協議など、実際の相続関係に合わせて名義変更を進めます。抵当権の登記が残っていることだけを理由に、相続登記を待つ必要はありません。
- 完済済みなら、抵当権抹消登記の書類を確認する
完済していても登記が残ることがあります。金融機関などから交付された抹消用の書類を確認し、別の抵当権抹消登記を検討します。借入れが残っている場合は、返済や今後の取扱いを金融機関と確認します。
近く売却する予定があれば、抵当権抹消に必要な書類があるかも早めに確認します。古い抵当権で金融機関が見当たらない場合などは、抹消の方法をここだけで決めず、登記と手元に残る資料を見て個別に判断します。
私なら、まず現在の登記を確認します

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
「抵当権が残っている」とお聞きしたら、私はまず現在の登記を見ます。お父さま名義の土地なのか、抵当権はどの不動産に付いているのか、登記に記載された相手方は誰かを確かめます。
そのうえで、借入れが残っているかを別に確認します。相続登記を進めることと、抵当権抹消登記を申請できるかどうかは、同じ登記簿を見ていても別の判断です。
抵当権の登記も確認して、相続登記を進めます
- 現在の登記で土地・建物の名義と抵当権の内容を確認する
- 相続関係に合わせ、土地を取得する方への相続登記を進める
- 完済書類がある場合は、抵当権抹消登記の進め方を確認する
借入れの有無や残高は、登記簿だけでは分かりません。金融機関へ確認が必要な部分は、そのままお伝えします。
抵当権が残っていても、土地の相続登記から進められます。
抵当権が残る土地の相続登記を相談するさいたま市浦和区の司法書士事務所/全国の不動産に対応抵当権が残る土地の相続登記でよくある質問
相続登記をしたら、抵当権も自動で消えますか?
自動では抹消されません。相続登記は土地の所有者を変える手続です。完済などで抵当権が消滅していても、登記を抹消するには原則として別の抵当権抹消登記が必要です。
登記簿に抵当権があれば、まだ住宅ローンが残っていますか?
登記簿だけでは分かりません。完済したあとでも抹消登記をしていなければ、抵当権の記録はそのまま残ります。返済状況は、手元にある金融機関の書類などで別に確認します。
抵当権の債務者として父の名前が載っています。私が返済することになりますか?
登記簿の記載だけで、誰が返済義務を負うかまでは判断できません。借入契約の内容、返済状況、保険の有無、相続の状況などを確認する必要があります。借入れが残る可能性があるときは、金融機関にも早めに確認します。
古い抵当権で、金融機関の書類がありません。先に抹消が必要ですか?
抵当権の登記が残っていても、相続登記は先に申請できます。抹消の方法は、債権や抵当権者の状況で変わるため、現在の登記と残っている書類を見て別に検討します。