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相続登記の相談事例

土地と建物は、それぞれ相続登記が必要ですか?

ご相談

再構成した相談例

父名義の実家を相続することになりました。固定資産税の書類を見ると、土地が二つと建物が一つ書かれています。実家は一軒なのに、土地と建物をそれぞれ相続登記するのでしょうか。マンションの場合も同じですか。

お父さま名義なら、土地と建物の両方が相続登記の対象です

戸建てでは、土地と建物は別々の不動産として登記されています。お父さまが両方を所有していたのであれば、一つずつ確認して、どちらも相続登記の対象に含めます。土地の登記記録が二つあれば、その両方を確認します。もっとも、土地と建物ごとに別々の申請書を必ず作る、という意味ではありません。

生活の感覚では「実家一軒」ですが、登記を見ると、土地がいくつかの記録に分かれ、その上に建物があり、さらに私道の持分が付いていることもあります。マンションでは「専有部分」や「敷地権」という聞き慣れない表示が出てきます。初めて登記を見る方が、何をいくつ手続すればよいのか分からなくなるのは当然のことです。

最初に、登記上の不動産がいくつあるのかを確認します

固定資産税の課税明細書や権利証など、手元に残っている書類は手掛かりになります。ただし、現在の名義や不動産の数を最後に確認するものは、現在の登記事項証明書です。

  • 土地の地番を一つずつ見る土地は、登記上「一筆(ひとふで)」という単位で記録されます。同じ敷地に見えても、宅地が二筆に分かれていたり、離れた私道の持分があったりします。
  • 建物の家屋番号と名義を見る建物は土地とは別の登記記録です。土地がお父さま名義でも、建物の名義が同じとは限らないため、それぞれ確認します。
  • マンションは敷地権の表示まで見る多くのマンションでは、専有部分の登記記録に敷地権が一緒に表示されます。古いマンションなど、土地の共有持分が別に登記されている場合もあります。

一つの家が、登記ではどのように分かれているか

「一軒」「一室」という見た目の数と、登記上の不動産の数は一致しないことがあります。戸建てとマンションでは、次のように見え方が変わります。

戸建ては複数の土地と建物が別々の登記になり、敷地権付きマンションは専有部分の登記に敷地権が表示される違い
見た目の戸数ではなく、地番・家屋番号・敷地権の表示から相続登記の対象を確認します。
  • 手元の書類から、不動産の候補をまとめる

    固定資産税の課税明細書、権利証、売買契約書などに記載された土地・建物を確認します。書類がそろっていなくても、分かる範囲から始められます。

  • 地番と家屋番号から、現在の登記を見る

    土地と建物の登記事項証明書を取得し、現在の所有者、共有持分、不動産の表示を確認します。

  • お父さま名義の不動産を一覧にする

    宅地、建物、私道の持分などを一つずつ並べます。マンションでは、専有部分と敷地権がどのように登記されているかを確認します。

  • 漏れのない形で相続登記を申請する

    同じ管轄で、登記原因や相続する方などの条件が同じであれば、複数の土地と建物を一つの申請にまとめられる場合があります。

戸建てとマンションでは、相続登記の見え方が違います

登記の見え方相続登記で確認すること
戸建て土地は一筆ごと、建物は一棟ごとに別の登記記録があります。お父さま名義の土地を一筆ずつ確認し、建物と合わせて対象にします。私道の持分が別にないかも確認します。
敷地権が登記されたマンション専有部分の登記記録に、土地についての権利が「敷地権」として表示されます。専有部分の相続登記の効力は敷地権にも及ぶため、通常は戸建てのように土地を別の申請に分けません。
敷地権の登記がないマンション専有部分とは別に、敷地の共有持分が土地の登記記録に残っていることがあります。専有部分だけでなく、土地の共有持分も相続登記の対象に含まれるか確認します。
課税明細書と登記の数が合わないこともあります

固定資産税がかからない私道が課税明細書に載っていなかったり、反対に、課税されている建物が未登記だったりすることがあります。書類の数が合わないときは、どちらかが間違いと決めず、現在の登記と照らして確認します。

私なら、「実家は一つ」と聞いても件数を決めません

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

ご相談では「父の家が一軒あります」と伺うことが多いです。ただ、その一言だけで相続登記の対象を一つとは考えません。現在の登記を見て、土地が何筆あるか、建物の名義は誰か、私道の持分はないかを確認します。

マンションも、部屋番号だけでは判断しません。専有部分の登記に敷地権が付いているのか、土地の持分が別に残っているのかまで見ます。専門用語を先に覚えていただくより、登記上の対象をこちらで一覧にして、「今回はこれとこれです」とお伝えする方が分かりやすいと考えています。

この相談で浦和ホームができること

土地・建物・私道の持分まで、相続登記の対象を確認します

  • 手元にある固定資産税の書類や権利証を確認する
  • 現在の登記事項証明書から、土地・建物の名義と持分を確認する
  • 戸建ての複数筆や私道持分、マンションの敷地権を整理する
  • 対象となる不動産を漏れなく記載し、相続登記を申請する

地番、家屋番号、敷地権という言葉が分からなくても大丈夫です。普段使っている住所と、手元にある不動産関係の書類から確認します。

戸籍収集、遺産分割協議書の作成、不動産の確認から相続登記まで、一つの窓口で進められます。

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関連Q&A

土地と建物は、必ず別々の申請書で相続登記しますか?

必ずしも別々ではありません。同じ法務局の管轄で、登記原因や相続する方などの条件が同じであれば、一つの申請書に複数の土地と建物を記載できる場合があります。

実家の土地が二筆に分かれていたら、二筆とも相続登記が必要ですか?

二筆ともお父さま名義であれば、どちらも相続登記の対象です。一方だけを記載して申請すると、もう一方の名義が変わらず残ってしまいます。

マンションの登記事項証明書に土地が見当たりません

専有部分の登記記録に「敷地権の表示」があれば、土地についての権利が一緒に記録されています。敷地権の登記がない場合は、土地の共有持分が別に登記されていないか確認します。

固定資産税の書類に建物があるのに、登記が見つからない場合はどうしますか?

建物が未登記の可能性があります。通常の相続による所有権移転登記にそのまま加えるのではなく、土地家屋調査士へ建物表題登記の要否を確認し、その後の所有権の登記を整理します。

土地と建物を別々の相続人が取得することはできますか?

遺産分割の合意によって別々の方が取得することはできます。ただし、建物を使うための土地の権利や、将来の売却・管理に影響するため、名義を決める前にその後の利用まで考えておく必要があります。

この記事は、土地と建物が別々の不動産として登記される一般的な仕組みを説明しています。実際の相続登記の対象は、現在の登記事項証明書、持分、敷地権、未登記建物の有無などを確認して判断します。

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