外国籍の相続人がいると法定相続情報一覧図は使えない?手続の進め方・かんたん診断
ご相談
日本国籍の父が亡くなり、母と私が相続人になりました。母は外国籍で、日本に住んでいます。父の戸籍には母との婚姻も記載されています。銀行と自宅の相続登記で使いたいのですが、この場合も法定相続情報一覧図を作れるのでしょうか。
外国籍の相続人がいる場合は、この制度を利用できません
亡くなった方や相続人が日本国籍を持たないなど、日本の戸籍を提出できない場合は、法定相続情報証明制度を利用できません。一覧図を申し出る方が日本国籍でも、この扱いは変わりません。
ただし、一覧図がなければ相続の手続ができないわけではありません。日本の戸籍や外国の証明書などを使い、登記や銀行の手続を進めます。まずは提出先に、外国籍の相続人がいることを伝えて必要書類を確認します。
亡くなった方と相続人全員が日本国籍で、必要な戸籍を提出できれば、海外在住の方がいても制度を利用できます。国籍と居住地は分けて考えます。
外国籍・海外在住の方がいる場合の、かんたん診断
一覧図は使える?相続手続のかんたん診断
進捗 1 / 4問
亡くなった方は、日本国籍だった?
亡くなった時点の国籍についてお答えください。氏名や、日本に住んでいたことだけでは判断しません。
質問と結果の目安をまとめて読む
国籍・居住地・進めたい手続についての4問から、一覧図を使えるかどうかと、必要書類の確認先をご案内します。分からない項目は「分からない」を選べます。
- 亡くなった方は、日本国籍だった?
亡くなった時点の国籍についてお答えください。氏名や、日本に住んでいたことだけでは判断しません。
- 日本国籍だった:亡くなった方:日本国籍
- 日本国籍はなく、外国籍だった:亡くなった方:外国籍
- 分からない・国籍の変更などを確認したい:亡くなった方:国籍の確認が必要
- 相続人に、日本国籍を持たない方がいる?
申出人になる方だけでなく、相続人全員についてお答えください。
- 相続人は全員、日本国籍:相続人:全員日本国籍
- 日本国籍を持たない方がいる:相続人:外国籍の方がいる
- 分からない・国籍の変更などを確認したい:相続人:国籍の確認が必要
- 相続人に、海外に住んでいる方がいる?
海外で取得する住所や署名の証明書が必要かは、その方の国籍と居住地によって変わります。
- 全員、日本に住んでいる:相続人の居住地:全員国内
- 海外に住んでいる方がいる:相続人の居住地:海外を含む
- 現在の居住地を確認できていない:相続人の居住地:未確認
- 進めたい相続手続は?
提出先によって、必要な証明書や署名の確認方法が異なります。
- 不動産の相続登記:手続先:法務局
- 銀行・証券会社などの相続手続:手続先:金融機関
- 登記と金融機関の両方:手続先:法務局と金融機関
- まだ決めていない:手続先:未定
結果の目安と次にすること
国籍・居住地・手続先に応じて、次に確認することをご案内します。
- 一覧図を使わず、適用される法律と必要書類を確認します
亡くなった方が外国籍の場合、この制度は利用できません。相続には原則として亡くなった方の本国法が関わるため、誰が相続人になるかの確認から進めます。
次にすること:- 国籍と財産の所在を伝えて相談する:日本の相続人の範囲をそのまま当てはめず、適用される法律と、相続関係を証明する資料を確認します。
- 外国籍の方も含め、相続関係を証明する書類を用意します
外国籍の相続人がいる場合は、申出人を日本国籍の方にしても、この制度を利用できません。日本の戸籍と外国の証明書などで、相続関係を示して手続を進めます。
次にすること:- 提出先へ、外国籍の相続人がいることを伝える:日本の戸籍に加えて何を用意する必要があるか、国籍と居住地に応じて確認します。外国の書類を取り寄せる前に、翻訳や認証の扱いも確かめます。
- 日本国籍があるかを確認します
国籍が未確認の場合は、戸籍などで確認するところから進めます。国籍の変更や帰化の経緯があるときも、必要な戸籍をそろえられるかを調べます。
次にすること:- 氏名や居住地だけで判断しない:亡くなった方と相続人について、分かっている国籍や手元の書類から確認します。分からない点があっても、そのままご相談いただけます。
- 制度の準備とあわせて、相続人の居住地も確認します
亡くなった方と相続人全員が日本国籍で、必要な戸籍を提出できれば、制度を利用できます。登記や銀行の手続で使う住所・署名の証明書は、その方の居住地に応じて確認します。
次にすること:- 連絡が取れない場合は別の手続も確認する:住所が分からないことと、一覧図を作成できるかは別です。遺産分割を進めたい場合は、相続人と連絡が取れるかも確認します。
- 海外在住でも、必要な戸籍を用意して申し出られます
亡くなった方と相続人全員が日本国籍で、必要な戸籍を提出できれば、海外在住の方がいても制度を利用できます。登記や銀行で使う住所・署名の証明は、一覧図とは別に確認します。
次にすること:- 海外で取得する証明書を確認する:在留証明や署名証明などが必要か、進めたい手続の提出先に確認します。これらの書類を、一覧図の申出の段階ですべて提出するわけではありません。
- 必要な戸籍をそろえ、一覧図の作成を進められます
亡くなった方と相続人全員が日本国籍で、必要な戸籍を提出できる場合は、制度を利用できます。戸籍の収集と一覧図の作成を進めます。
次にすること:- 作成した一覧図は、法務局の認証を受ける:一覧図と申出書を作り、必要書類とともに申し出ます。認証を受けて、相続手続に使う証明書として完成します。
- 登記に使う証明書を確認する:亡くなった方と相続人の国籍・居住地を伝え、相続関係、住所、署名・押印を証明するための必要書類を、登記の申請先か司法書士に尋ねます。
- 金融機関の必要書類を確認する:相続窓口に国籍・居住地を伝え、一覧図を使わない場合の書類を尋ねます。翻訳や認証が必要かどうかも、書類を取り寄せる前に確認します。
- 海外で用意する書類は、提出先を確認してから:日本国籍の方と外国籍の方では、証明書を取得できる機関が異なります。外国の機関へ証明書を請求する前に、どの機関の何の証明が必要かを確かめます。
- 手続をする財産を確認する:不動産、預貯金、有価証券など、何の手続があるかで提出先が決まります。分かる範囲から整理できます。
この診断は、制度の利用条件と次の確認先をご案内します。国籍や相続人の確定、外国の法律の適用、必要書類のすべてを判定するものではありません。
日本人の家族の戸籍に名前があっても使えない?
日本人と結婚した外国籍の方は、日本人の配偶者の戸籍に婚姻の相手として氏名などが記載されます。ただし、その記載があることと、外国籍の方自身に日本の戸籍があることは別です。
法定相続情報証明制度では、登記官が日本の戸籍をもとに相続関係を確認し、一覧図に認証文を付けます。法務局の利用案内でも、亡くなった方や相続人が日本国籍を持たないなど、戸籍を提出できない場合は利用できないとされています。
申出人だけが日本国籍ならよい、という制度ではありません。外国籍の相続人を除いて一覧図を作成したり、その方について外国の証明書を添えて、この制度の認証を受けたりすることはできません。
海外に住んでいる日本人の場合は?
海外在住という理由だけで、制度が使えなくなることはありません。国籍と住んでいる国を分けて考えます。
| 相続人の状況 | 制度の利用 |
|---|---|
| 外国籍で、日本国籍を持たない | 日本に住んでいても、この制度は利用できません。 |
| 日本国籍で、海外に住んでいる | 亡くなった方や他の相続人も日本国籍で、必要な戸籍を提出できれば利用できます。 |
| 国籍の変更や帰化の経緯がある | 氏名や居住地で判断せず、国籍と、必要な戸籍をそろえられるかを個別に確認します。 |
海外在住の日本人がいる場合、登記や銀行の相続手続で住所や署名を確認するため、在留証明や署名証明などを用意することがあります。一覧図の申出に必要な書類とは分けて、登記の申請先や金融機関に確認します。
日本国籍の方が海外にいる場合の銀行手続については、三菱UFJ銀行の案内にも在留証明書や署名証明書の説明があります。実際に用意する書類は、利用する金融機関や登記の申請先に確認します。
一覧図が使えないと、相続手続はどう進める?
法定相続情報一覧図は、相続関係を示す戸籍一式の提出を省略しやすくするためのものです。相続するために、必ず取得しなければならない書類ではありません。外国籍の方がいる場合は、日本の戸籍や、その国の証明書などで相続関係を示します。
- 手続をする法務局や金融機関に事情を伝える
亡くなった方と相続人の国籍、海外に住む方がいるか、何の手続をしたいかを伝えます。
- 必要な証明書と、翻訳・認証の扱いを確認する
出生・婚姻・親族関係などを証明する書類は、国や手続によって異なります。証明書の名前だけでなく、何を証明する必要があるかも確かめます。
- 確認した書類を用意し、手続先へ提出する
日本の戸籍と外国の証明書を組み合わせるなど、提出先に確認した方法で相続関係を示します。銀行で使えた書類が、そのまま登記でも足りるとは限りません。
外国の証明書を取得すれば必ず足りる、と決めつけて何種類も取り寄せる必要はありません。日本語訳の作成方法や、署名をどこで証明するかも、先に提出先へ確認しておくと二度手間を減らせます。
亡くなった方自身が外国籍の場合は、原則としてその方の本国法に基づき、誰が相続人になるかなどを確認します。日本の法律が適用される場合もあるため、日本にある財産だから日本の相続の決まりでよい、と判断しないようにします。
書類が分からないときは、どうすればよい?

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
外国籍の方がいる相続では、普段の戸籍集めと同じようには進められないことがあります。何を取り寄せるか分からないまま、一人で調べ続けなくても大丈夫です。国籍や家族関係について分かっていることからお聞きし、相続登記に必要な確認や書類の準備をお手伝いします。
一覧図が使えない場合も、相続手続をご相談ください
- 外国の証明書を取り寄せる前の段階からご相談いただけます。
- 日本の戸籍が途中まで集まっている場合も、今ある書類から確認します。
国籍や必要書類がはっきりしていなくても、分かる範囲からお話しください。
外国籍の方がいる相続手続を相談する外国籍の方と法定相続情報についてよくある質問
外国籍の相続人を外して、一覧図を作ってよい?
その方を外して認証を受けることはできません。一覧図を使わず、相続関係を証明する書類を用意して登記や銀行の手続を進めます。
日本国籍の相続人が申し出れば使える?
申出人が日本国籍でも、他の相続人に外国籍の方がいて必要な戸籍を提出できなければ利用できません。申出人だけで判断する制度ではありません。
一覧図がないと、銀行で相続手続を断られる?
一覧図がないことだけで手続ができなくなるわけではありません。外国籍の相続人がいることを相続窓口へ伝え、日本の戸籍や外国の証明書、翻訳など、必要な書類を確認します。