遺産分割協議書を書き間違えたときの直し方|訂正印・捨印の使い分け
ご相談
相続人全員が協議書へ署名し、実印を押した後で、父の住所と土地の地番に書き間違いを見つけました。修正テープで直してもよいでしょうか。みんなにもう一度集まってもらう必要がありますか。
協議書の書き間違いは、署名の前後と誤記の内容で直し方を決めます
まだ誰も署名していなければ、直して印刷し直します。全員が署名・押印した後なら、資料と照らして明らかな誤字・脱字は二重線と訂正印で直す方法があります。修正テープは使いません。まず、間違えた箇所を元の資料と見比べてください。
誰が何を相続するかを変えるなら、単なる誤記ではありません。捨印だけで書き換えず、相続人全員で改めて内容を確認します。
直す前に、何を確かめますか?
- 署名・押印の前か後かまだ署名していなければ、元のデータを直して印刷し直せます。
- どの記載を間違えたか住所は印鑑証明書、不動産の表示は登記事項証明書と見比べます。地番の違いは別の土地を指すこともあるため、単なる数字の誤記と決めつけません。
- 提出前か、すでに提出した後か提出済みなら、どの資料と違うかを確かめ、提出先に補正方法を確認します。
署名・押印後に誤記が見つかったら、どう直しますか?
- 元の資料と、全員が確認した内容を見比べる
住所の表記を間違えたのか、取得する人・財産・金額など合意の内容が違うのかを確認します。
- 明らかな誤字・脱字なら、元の文字を残して訂正する
誤った文字に二重線を引き、近くに正しい文字を書きます。修正液や修正テープで消したり、塗りつぶしたりしません。
- 協議書で使った実印を押す
訂正箇所または欄外に押します。財産の表示など全員に関わる記載では、全員へ訂正内容を共有し、提出先に押印方法を確認します。作り直す方が確実な場合もあります。
- 複数の原本を使うなら、内容をそろえる
原本を二通以上作った場合は、提出・保管するそれぞれの原本を同じ内容にします。
相続人本人の住所表記だけを直す場合と、財産の表示を直す場合では、必要な確認が違います。誰の訂正印が要るかは提出先にも確かめてください。「訂正印とは?」では、押す印鑑と直し方を説明しています。
誰がどの財産を取得するか、代償金をいくら払うかなどを変える場合は、誤字の訂正とは違います。捨印だけで変更せず、全員の合意を確かめて新しい協議書を作る方法を検討します。
捨印がある場合と、すでに提出した場合は?
捨印は、後から明らかな誤記が見つかったときに備え、欄外へ先に押しておく実印です。全員から改めて訂正印を集めずに済むことがあります。ただし、捨印で何でも直せるわけではありません。詳しい使い方は「捨印とは?」で説明しています。
すでに法務局や銀行へ提出したなら、どの記載が違うかと正しい資料を手元に置き、担当先へ連絡します。法務局では補正や書類の作り直しを求められることがあります。金融機関は所定書類や受付方法が異なるため、法務局と同じ訂正で足りるとは限りません。
私なら、最終文面を確かめてから捨印もいただきます

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
私なら、署名を集める前に相続人の住所を印鑑証明書、不動産の表示を登記事項証明書と見比べます。それでも、後から小さな誤記が見つかることはあります。手続に使う協議書には、全員に用途を説明し、最終文面を確認してから捨印もいただくのが実務的だと思います。分け方そのものを変えるなら、全員で確認し直します。
訂正前に、元の資料と協議書の記載を見比べます
- 相続人の住所は印鑑証明書と照合する
- 不動産の表示は登記事項証明書と照合する
- 署名前なら入力を直してPDFを作成し直す
署名を集める前なら、入力を直して協議書を作成し直せます。
遺産分割協議書作成ツールを使う無料でPDFを作成できます協議書の訂正についてよくある質問
修正テープで直せますか?
使いません。元の記載が見える二重線で訂正するか、印刷し直します。
訂正印は小さな『豆印』ですか?
協議書の訂正には、署名欄で使った本人の実印を使います。小さな専用の印鑑を買う必要はありません。
捨印があれば、何でも直せますか?
明らかな誤記への備えです。誰がどの財産を取得するかなど、合意の中身を変えるためには使いません。
原本が二通あります。一通だけ直せばよいですか?
使う原本は、それぞれ同じ内容にそろえます。片方だけ訂正し、もう片方に古い記載が残る状態は避けます。