浦和ホーム司法書士・行政書士・宅地建物取引士事務所案内
相続登記の用語・書類解説

不在者財産管理人とは?所在不明の相続人がいる場合の手続

ひとことで言うと

不在者財産管理人とは、以前の住所や居所を離れ、容易に戻る見込みがない方の財産を管理する人として、家庭裁判所が選任する方です。

なぜ相続で不在者財産管理人が必要になるのですか?

遺産分割協議には、相続人全員の合意が必要です。戸籍から相続人であることが分かっても、その方の所在が分からなければ、本人を抜いて遺産の分け方を決めることはできません。

住所記録や親族への確認などを行っても所在が分からないとき、家庭裁判所が不在者財産管理人を選任し、その方の財産を守ります。管理人が不在者に代わって遺産分割へ参加する場合は、家庭裁判所の権限外行為許可も必要です。

返事がない方を、すぐ不在者として扱う制度ではありません

現在の住所が分かり、手紙も届いているものの返事がない場合や、分け方に反対している場合は、所在不明とは別の状態です。不在者財産管理人を検討する前に、住所と連絡状況を確認します。

不在者財産管理人は、申立人の代わりに交渉する人ではありません

不在者財産管理人の役割は、所在が分からない本人の財産を管理し、本人の利益を守ることです。ほかの相続人の希望どおりに遺産分割を成立させるための代理人ではありません。

管理人が通常行えるのは、財産を保存・管理する行為です。遺産分割への参加や不動産の売却など、管理の範囲を超える行為には、家庭裁判所の許可が必要です。

どのようなときに検討しますか?

相続人であることは分かっている

戸籍から相続人を確定できているものの、現在の住所や居所が分からない場合です。

所在を確認しても分からない

公的な住所記録、郵便の返送状況、親族からの情報などを確認しても、現在どこにいるのか分からない場合に検討します。

本人に代わって遺産分割へ参加する人が必要

不在者を除いたままでは遺産分割できないため、選任された管理人が家庭裁判所の許可を得て協議や調停へ参加します。

どこへ申し立てますか?

不在者の従来の住所地または居所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。相続人などの利害関係人や検察官が申立人になります。

家庭裁判所は、所在不明となった経緯を示す資料などを確認します。遺産分割を目的とする場合も、管理人を選ぶ申立てと、管理人が遺産分割へ参加するための権限外行為許可は分けて考えます。

連絡がない場合と、所在不明の場合は違います

状態考えられる次の手続
住所が分かるが、連絡を取っていない本人の所在は分かっています。まず手紙などで、相続が始まったことと話し合いたい内容を伝えます。
所在が分からない住所記録などを確認しても、現在の居所が分かりません。不在者財産管理人の選任を検討することがあります。
連絡できるが、合意できない本人の所在は分かり、意思も確認できます。相続人だけで合意できなければ、遺産分割調停や弁護士への相談を検討します。

長年連絡を取っていない相続人がいる場合の確認順は、「長年連絡を取っていない相続人がいる場合の相続登記」で説明しています。

不在者財産管理人についてよくある質問

手紙に返事がないだけで、不在者財産管理人を申し立てられますか?

返事がないことだけで、直ちに不在者になるわけではありません。現在の住所や居所が分からず、容易に戻る見込みがない状態なのかを、資料から確認します。

不在者財産管理人が選ばれれば、すぐ遺産分割できますか?

管理人が遺産分割へ参加するには、家庭裁判所の権限外行為許可が必要です。管理人の選任だけで、自由に分け方を決められるわけではありません。

ほかの相続人が、不在者財産管理人になれますか?

資格そのものは必要ありませんが、利害関係や管理する財産の内容などを考慮し、家庭裁判所が適任者を選びます。弁護士や司法書士などの専門職が選任されることもあります。

不在者財産管理人を立てず、所在不明の相続人を除いて協議できますか?

できません。遺産分割協議には相続人全員の合意が必要です。所在不明の相続人を除いた協議は、有効な遺産分割協議にはなりません。

この記事は、所在が分からない相続人がいる遺産分割で検討される不在者財産管理人の一般的な仕組みを説明しています。失踪宣告、外国在住者、判断能力に不安のある方、相続人間の紛争がある場合は、別の手続を確認する必要があります。

メニュー