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遺産分割協議書の相談事例

そもそも、誰が遺産分割協議に参加しますか?

ご相談

再構成した相談例

父の遺産は、母と私、弟の3人で分けるつもりです。家族のことは分かっているので、3人の名前で協議書を作り始めてもよいでしょうか。以前の戸籍まで集めるように言われましたが、なぜそこまで必要なのか分かりません。

遺産分割協議には、戸籍で確認した相続人全員が参加します

今は協議書を書く前に、話合いへ参加する方を確定する段階です。まず、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、そこから相続人へつながる戸籍を確認します。

ご家族の中で把握している関係は、大切な手掛かりです。ただし、遺産分割協議へ参加する方は、家族の記憶や現在の同居人だけで決めず、公的な戸籍の記録から確認します。

全員の合意がそろう前に作った協議書は、そのまま完成した協議書として使えません。後から相続人が分かったときは、その方も含めて、全員が同じ分け方に合意していることを確認します。

協議書へ氏名を入れる前に、3つを確認します

  • 遺言書で、遺産の行き先が決まっていないか有効な遺言書によって対象となる遺産の行き先が決まっていれば、その遺産について話合いをする必要がないことがあります。まず、遺言書の有無と内容を確認します。
  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍がつながっているか死亡の記載がある戸籍一通だけではなく、出生まで古い戸籍をたどります。婚姻や養子縁組などを含め、相続人へつながる家族関係を確認するためです。
  • 相続放棄や、相続開始後に亡くなった方がいないか家庭裁判所で相続放棄が受理された方は参加者から外れます。相続人が協議前に亡くなっていれば、その方の相続人まで確認します。

戸籍から、遺産分割協議に参加する相続人を確定します

配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人になります。配偶者と一緒に相続人になる方は、子ども、父母・祖父母など、兄弟姉妹の順に決まります。先の順位の方がいれば、後の順位の方は相続人になりません。

法律上の配偶者と、子、父母や祖父母、兄弟姉妹のうち最も先の順位に当たる相続人全員が遺産分割協議へ参加する関係
法律上の配偶者がいれば、配偶者は常に相続人です。そのうえで、第1順位から順に確認し、最初に該当する順位の方全員が協議へ参加します。

配偶者

亡くなったときの法律上の夫または妻です。以前の配偶者や、婚姻届を出していないパートナーは、法定相続人としての配偶者には含まれません。

第1順位|子ども

実子・養子や、前の配偶者との子も同じ順位です。子どもが先に亡くなっている場合は、孫などが代わって相続人になることがあります。この関係は「代襲相続とは?」で説明しています。

第2順位|父母・祖父母など

子どもや、その代わりに相続する孫などがいない場合に相続人になります。父母がともに亡くなり、祖父母が存命であれば、より近い世代である祖父母を確認します。

第3順位|兄弟姉妹

子どもなども、父母・祖父母などもいない場合に相続人になります。兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、その子である甥・姪が相続人になることがあります。必要な戸籍は「兄弟姉妹が相続人になると、どこまで戸籍を集める?」で確認できます。

  • 死亡の記載がある戸籍から、出生時の戸籍までたどる

    一通ずつ前の戸籍へ戻り、出生から死亡までの記録をつなぎます。集め方は「出生から死亡までの戸籍は、どうやって集めますか?」で説明しています。

  • 戸籍に現れた家族関係から、相続の順位を確認する

    まず子どもなどを確認します。該当する方がいなければ父母・祖父母など、さらに該当者がいなければ兄弟姉妹へ進みます。

  • 相続人となる方の現在の戸籍までつなぐ

    亡くなった方との関係だけでなく、その方が相続開始時に生存していたことや、現在の氏名などを確認します。

  • 相続放棄・死亡・代理が必要な事情を確認する

    戸籍で分かる法定相続人を出発点に、家庭裁判所で受理された相続放棄、相続開始後の死亡、未成年者などの事情を確認します。

  • 確定した相続人全員で、同じ分け方に合意する

    全員が同じ場所へ集まる必要はありません。参加者が確定した後、対面・電話・オンライン・書面のやり取りなどで話合いを進めます。

「全員参加」と「全員が集まること」は別です

必要なのは、相続人全員が同じ分け方に合意することです。遠方に住む方がいる場合の進め方は「相続人全員が集まらずに遺産分割協議を進める方法」で説明しています。

戸籍で相続人が分かった後に、参加する人が変わることがあります

次の事情がある場合は、相続人本人の氏名だけを協議書へ入れて、すぐに署名を集める段階ではありません。誰が本人に代わって協議するのか、誰の合意が必要なのかを先に確認します。

事情協議へ進む前に確認すること
家庭裁判所で相続放棄が受理された方がいるその方は初めから相続人でなかったものとして扱われ、遺産分割協議には参加しません。家族の間で「何も受け取らない」と決めただけの場合は、相続放棄とは別です。
相続人に未成年者がいる親権者が代理します。ただし、親権者も同じ相続の相続人で利益がぶつかる場合などは、家庭裁判所で特別代理人を選任します。
判断する力に不安のある方や、行方不明の方がいる本人を抜いて進めることはできません。成年後見制度や不在者財産管理人の選任など、その方を含めて協議するための手続を先に検討します。
相続人が、亡くなった方の後に死亡している亡くなった相続人の地位を引き継ぐ方まで確認します。これは「数次相続」と呼ばれ、協議に参加する人数が増えることがあります。
当てはまるときは、署名を集める前に止めれば大丈夫です

参加する方や代理する方が決まる前に署名を集めると、協議書を作り直すことがあります。相続人に未成年者、判断する力に不安のある方、行方不明の方、協議前に亡くなった方がいるときは、先に家庭裁判所または司法書士へ確認するのが安全です。

私なら、家族のお話を戸籍で確かめてから協議書を作ります

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

ご家族から伺う「相続人は母と子ども二人です」というお話は、戸籍をたどるための大切な手掛かりです。ただし、その3人だけで協議書を作ってよいという最終判断は、戸籍を確認してから行います。

亡くなった方の出生から死亡までをつなぎ、子どもなどの第1順位から順に見ます。そこで相続人になり得る方が先に亡くなっていれば、さらにその先の戸籍を確認します。相続放棄があれば、家庭裁判所の受理を確認します。

戸籍を集めるのは、協議書に添付する紙を増やすためではありません。誰に参加してもらうのかを確定するためです。参加する方が決まって初めて、協議書へ氏名を入れ、遺産の分け方を確定できます。

この相談で浦和ホームができること

戸籍収集から相続人の確定、協議書・相続登記まで進めます

  • 途中まで集めた戸籍を確認し、不足する戸籍を市区町村へ請求する
  • 戸籍を出生から死亡までつなぎ、相続人となる方を確認する
  • 相続放棄や数次相続、代理人が必要な事情を確認する
  • 確定した相続人と分け方に合わせて、遺産分割協議書を作成する
  • 完成した書類を使い、不動産の相続登記を申請する

戸籍を全部集めてから相談する必要はありません。途中までの戸籍や、ご家族について分かる範囲のメモから確認を始められます。

相続人の確認から相続登記までの司法書士報酬を、定額でご案内しています。

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関連Q&A

相続人全員が、一つの場所へ集まる必要はありますか?

集まる必要はありません。全員が同じ分け方に合意できれば、郵送やオンラインで内容を確認し、協議書を順番に回す方法や、各自の協議証明書を作る方法があります。詳しくは「相続人全員が集まらずに遺産分割協議を進める方法」をご覧ください。

相続人が一人しかいない場合も、遺産分割協議書が必要ですか?

相続人が本当に一人であれば、話し合う相手がいないため遺産分割協議書は作りません。ただし、一人であることは戸籍で確認します。詳しくは「相続人が一人なら協議書は必要?」で説明しています。

遺産を受け取らない相続人も、協議に参加しますか?

家庭裁判所で相続放棄が受理されていなければ、受け取る財産がない方も相続人です。遺産を受け取らないという分け方を含め、全員で合意し、協議書へ署名・実印を押します。

未成年の子どもも、本人が協議書へ署名しますか?

通常は法定代理人が未成年者に代わって協議します。親権者も同じ相続の相続人になるなど利益がぶつかる場合は、家庭裁判所へ特別代理人の選任を申し立てます。署名を集める前に確認してください。

父の後に相続人の一人が亡くなった場合、誰が参加しますか?

亡くなった相続人が持っていた地位を、その方の相続人が引き継ぎます。死亡した順番とそれぞれの戸籍を確認して参加者を決めます。詳しくは「数次相続とは?」をご覧ください。

この記事は、遺言書で遺産の行き先がすべて決まっていない一般的な相続を前提に、遺産分割協議の参加者を確認する順番を説明しています。相続放棄、数次相続、相続分の譲渡、未成年者・判断する力に不安のある方・行方不明の方、海外に関係する相続がある場合は、参加者や代理方法を個別に確認する必要があります。

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