亡くなった父の「出生から死亡までの戸籍」は、どうやって集めますか?
ご相談
父の相続登記をしようとしたところ、「出生から死亡までの戸籍を集めてください」と言われました。父が亡くなったことの記載がある戸籍は取りましたが、これで全部なのか分かりません。古い戸籍は、どこへ、どのような順番で請求すればよいのでしょうか。
死亡時の戸籍を取り、そこから一つ前へ戻ります
まず、お父さまが亡くなったときの戸籍を取ります。そこに残る婚姻・転籍・改製などの記載から一つ前の戸籍を確認し、出生時まで順番にさかのぼります。窓口へ行ける方は、広域交付でまとめて請求できることもあります。
戸籍は、一人の人生を一枚にまとめた書類ではありません。結婚、転籍、戸籍制度の変更などで、記録がいくつもの戸籍に分かれています。そのため、死亡の記載がある戸籍を一通取っただけでは、相続人を確認できないことがあります。
聞き慣れない書類が次々に出てくるので、どこまで取れば終わりなのか分からなくなりますよね。今は、相続登記の申請書を書く前に、お父さまの戸籍を出生時まで切れ目なくつなぐ段階です。戸籍の名前を最初から全部覚える必要はありません。
遺言書を使わず、法定相続または遺産分割協議で相続登記をする場合の基本的な集め方です。遺言書がある場合は、必要な戸籍の範囲が変わることがあります。
最初に、今分かっているところを確認します
- お父さまが亡くなったときの本籍と筆頭者分からない場合は、最後の住所地へ、本籍・筆頭者を記載した住民票の除票を請求して確認します。
- すでに手元にある戸籍ほかの相続手続で取った戸籍があれば、まず前後がつながっているかを見ます。最初からすべて取り直すとは限りません。
- 誰が、どの方法で請求するかお子さま本人が市区町村の窓口へ行けるのか、本籍地へ郵送するのかで、利用できる請求方法が変わります。
出生まで、戸籍を一つずつさかのぼります
戸籍を集めるときは、出生時から順に探すのではありません。まず見つけやすい死亡時の戸籍を取り、そこから時間を逆向きにたどります。
- 死亡の記載がある戸籍を請求する
本籍のある市区町村へ、「相続登記に使うため、父の出生から死亡までの戸籍が必要」と伝えます。その市区町村に残っている戸籍や古い戸籍をまとめて出してもらえることがあります。
- 一つ前の戸籍を確認する
届いた戸籍の婚姻・転籍・従前戸籍などの記載を見ます。別の本籍地から移ってきたことが分かれば、次はその市区町村へ請求します。
- 出生の記載までつながったかを確認する
取った戸籍を新しいものから古いものへ並べ、日付と戸籍の移動が途中で切れていないかを確認します。出生時の戸籍までつながれば、亡くなった方についての収集は一区切りです。
窓口でまとめて請求する方法と、本籍地ごとに請求する方法があります
| 請求方法 | 向いている方 | 先に知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 広域交付 | お子さま本人などが、市区町村の窓口へ行ける場合 | 本籍地以外の窓口で、複数の市区町村の戸籍・除籍をまとめて請求できます。郵送や代理人は利用できず、一部対象外の戸籍もあります。 |
| 本籍地ごとの請求 | 窓口へ行くのが難しい場合や、郵送で進めたい場合 | 戸籍から一つ前の本籍地を確認し、その市区町村へ順番に請求します。必要書類・手数料・返送用封筒などを請求先ごとに確認します。 |
広域交付には、請求できる方・窓口・対象となる戸籍に条件があります。詳しい条件は「戸籍の広域交付とは?」で説明しています。
さいたま市で広域交付を使うときは、後日の受取りになることがあります
さいたま市では、出生から死亡までの一連の戸籍を広域交付で請求する場合、原則として後日の交付となり、準備ができてから連絡を受ける案内です。相続手続の予定があるときは、当日にすべて受け取れる前提にせず、時間に余裕を持って請求してください。
私なら、戸籍の通数ではなく、記録のつながりを確認します

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
「戸籍が5通あるから、もう全部そろった」とは判断しません。必要な通数は、お父さまの婚姻、転籍、戸籍の改製などによって変わるからです。
新しい戸籍から古い戸籍へ並べ、いつ、どの戸籍から移ってきたのかを見ます。途中の期間が抜けていれば、その記載を手がかりに次の戸籍を請求します。
大切なのは、何通あるかではなく、出生から死亡まで切れ目なくつながっているかです。途中まで集めたものがあれば、そこから確認を始められます。
相続人の確認から相続登記まで、まとめて進めます
- 手元にある戸籍を確認し、必要な戸籍を市区町村へ請求する
- 戸籍全体から相続人を確認する
- 相続する不動産と、誰が取得するのかを確認する
- 相続登記の必要書類を整え、法務局へ申請する
戸籍が途中までしか集まっていなくても、そこから必要な手続きを引き継げます。手元の戸籍と相続関係、不動産を確認し、相続登記まで進めます。
戸籍収集から相続登記までの司法書士報酬を、定額でご案内しています。
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父が亡くなったことの記載がある戸籍一通では足りませんか?
死亡の事実は確認できても、ほかに相続人となる子どもなどがいないことまでは確認できない場合があります。遺言書を使わない相続登記では、原則として出生時まで戸籍をさかのぼります。
父の本籍が分からない場合は、どこから始めますか?
最後の住所地へ、本籍・筆頭者を記載した住民票の除票を請求します。詳しい順番は「亡くなった父の本籍が分かりません」で説明しています。
出生から死亡までの戸籍は、何通になりますか?
決まった通数はありません。婚姻・転籍・戸籍の改製などの回数によって変わります。枚数ではなく、出生時から死亡時まで記録がつながっているかで確認します。
広域交付を使えば、一度に全部受け取れますか?
複数の本籍地の戸籍を一か所で請求できますが、一部の戸籍は対象外です。出生から死亡までの一連の戸籍は、確認に時間がかかり後日交付になることもあります。詳しくは「戸籍の広域交付とは?」をご覧ください。
古い戸籍の文字が読めなくても、自分で集められますか?
請求時には、「父の出生から死亡までの戸籍が必要」と伝えられます。受け取った後、前後がつながっているか分からなければ、途中までの戸籍をそのまま専門家へ見せて確認できます。