固定資産現所有者申告書とは?相続登記とは別の、市役所へ出す書類です
固定資産現所有者申告書とは、土地や家屋の登記名義人が亡くなった後、相続登記が終わるまでの間、固定資産税を負担する相続人等の氏名・住所などを市区町村へ伝える書類です。
この用語の分類:相続登記の申請で使う手続
なぜ相続のときに固定資産現所有者申告書が必要なのですか?
固定資産税は、その年の1月1日に土地や家屋を所有している方へ課税されます。登記名義人が亡くなっても、相続登記が終わるまで固定資産税の手続を止めることはできません。
その間に固定資産を現に所有する相続人等を市区町村が確認し、納税通知書などを送れるようにするため、氏名や住所などを申告します。さいたま市では、現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過する日までの申告が原則です。
市役所へこの申告書を出しても、法務局の登記名義は変わりません。固定資産税の申告と、所有者名義を変える相続登記は別の手続です。
申告すると何が決まり、何が決まらないのですか?
申告で市へ伝えること
相続登記までの間に固定資産を現に所有する相続人等の氏名・住所などです。さいたま市では、納税通知書などを受け取る相続人代表者も届け出ます。
申告だけでは決まらないこと
土地や家屋を最終的に誰が相続するか、相続分をどうするか、登記簿の名義を誰へ変えるかは決まりません。
相続人代表者になった方は、固定資産税の書類を受け取る窓口です。その方が単独で不動産を相続したことを示すものではありません。
さいたま市では、どのような名称の書類が使われますか?
さいたま市の案内では「固定資産現所有者申告書」という名称が使われています。2025年11月からは手続を簡略化するため、「相続人代表者指定届」が固定資産現所有者申告書を兼ねる様式も案内されています。
届いた封筒や書類に「相続人」「現所有者」「相続人代表者」など似た言葉が並んでいても、分からないのは当然です。書類名だけで判断せず、差出人がさいたま市の市税事務所なのか、提出先が資産課税課なのかを確認すると、固定資産税の手続だと分かります。
誰が、いつまでに、どこへ申告しますか?
誰が申告するか
亡くなった登記名義人の相続人など、固定資産を現に所有する方が申告します。相続人が複数いる場合でも、固定資産税については全員が連帯して納税義務を負うと案内されています。
いつまでに申告するか
さいたま市では、現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過する日までが原則です。市から書類が届いた場合は、その書類に記載された返送期限を確認します。
どこへ申告するか
固定資産がある区を担当する市税事務所資産課税課へ提出します。浦和区・中央区・桜区と、南区・緑区は南部市税事務所が担当しますが、土地と家屋、所在区によって係が分かれます。
申告した後も、なぜ相続登記が必要なのですか?
固定資産現所有者申告書が扱うのは、市の固定資産税の記録です。法務局が管理する登記簿は変わらないため、父名義の土地や建物を相続人名義へ変えるには、法務局へ相続登記を申請します。
さいたま市から申告書が届いたときの確認順は、「固定資産の相続人に関する申告書が届いた場合」で説明しています。
すでに相続登記が済んでいる場合も、申告しますか?
さいたま市では、すでに相続登記が完了している場合、固定資産現所有者申告書の提出は不要と案内しています。申告書と相続登記が行き違いになった場合は、現在の登記事項証明書や登記完了の資料を確認し、書類に記載された市税事務所へ問い合わせます。
登記されていない建物は、法務局に登記簿がありません。その場合の所有者変更は、市税事務所資産課税課で別に確認します。
固定資産現所有者申告書についてよくある質問
この申告書は、相続税の申告書ですか?
違います。固定資産税を扱う市区町村への申告であり、税務署へ出す相続税申告とも、法務局へ出す相続登記とも別の手続です。
相続人代表者になったら、固定資産税を一人で負担しますか?
代表者は納税通知書などを受け取る窓口です。代表者を決めたことだけで、ほかの現所有者の納税義務や、相続人間の最終的な負担割合が決まるわけではありません。
申告書を出せば、相続登記の期限にも間に合ったことになりますか?
なりません。相続登記の期限へ対応するには、法務局で相続登記または相続人申告登記を行います。
相続放棄を考えている場合も、すぐ提出してよいですか?
相続放棄を検討している場合は、書類の記載や提出前に市税事務所や専門家へ確認します。固定資産税の申告と家庭裁判所で行う相続放棄は別の手続です。