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相続登記の相談事例

相続人申告登記をすれば、相続登記は終わったことになりますか?

ご相談

再構成した相談例

父名義の実家について、相続登記の期限が近かったため相続人申告登記をしました。法務局から手続が完了したという連絡も届いています。これで相続登記は終わり、実家の名義も相続人へ変わったと考えてよいのでしょうか。

相続人申告登記で、所有者の名義変更まで終わるわけではありません

相続人申告登記によって、申出をした方の基本的な申請義務には対応できます。ただし、所有者の名義変更は終わっていません。登記簿には申出人の氏名・住所などが付記されますが、その方が実家の所有者として登記される手続ではありません。

ここまで話合いを続け、相続人申告登記まで済ませたことで、期限については一つ区切りがついています。実家を誰が取得するかは、すぐに答えを出せなくても不思議ではありません。ゴールは、取得する方が決まったときに、その内容どおりの名義へ変えることです。今すぐすべてを決めなくて大丈夫です。

最初に、何の手続が終わったのかを確認します

法務局で登記に関する手続が完了すると、すべての名義変更が終わったように感じるかもしれません。相続人申告登記では、次の三つを分けて確認します。

  • 誰について相続人申告登記をしたか申出をした方についてのみ、基本的な申請義務を果たしたものと扱われます。一人だけが申し出た場合、ほかの相続人まで自動的に対応済みになるわけではありません。
  • 実家を取得する方は決まっているか相続人申告登記は、実家の取得者や持分を決めません。まだ遺産分割が成立していなければ、誰が実家を取得するかは決まっていない段階です。
  • 実家を売却したり、担保に入れたりする予定があるか相続人申告登記だけでは売却や抵当権の設定はできません。近く処分する予定がある場合は、取得者への相続登記まで進める必要があります。

相続人申告登記の後に残る手続を、順番に見ます

相続人申告登記は、期限を守るための一つの区切りです。所有者を確定し、その名義へ変える相続登記とは役割が違います。

父名義の登記に相続人申告登記で申出人の氏名住所が付記され、その後の遺産分割に基づく相続登記で取得者の名義へ変わる流れ
相続人申告登記で申請義務へ対応しても、所有者の名義は申出人へ移りません。遺産分割が成立したら、その内容に合う相続登記を行います。
  • 相続人申告登記で、期限への対応をする

    申出をした相続人について、基本的な相続登記の申請義務を果たしたものと扱われます。

  • 実家を誰が取得するか、話合いを続ける

    申告登記をした後も、遺産分割は続けられます。申告登記の内容に合わせて取得者を決める必要はありません。

  • 遺産分割が成立したら、取得者への相続登記をする

    実家を取得した方は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に合う相続登記を申請します。

  • 売却などは、取得者の名義へ変えてから進める

    相続した実家を売却したり、抵当権を設定したりする場合は、先に所有者を示す相続登記が必要です。

申請義務への対応と、所有者の名義変更は別です

相続人申告登記取得者への相続登記
手続の目的申出をした相続人が、期限までの基本的な申請義務へ対応します。遺言や遺産分割などに基づき、不動産を取得した方を所有者として登記します。
登記される内容相続が始まったことと、申出人の氏名・住所などが付記されます。持分は登記されません。取得者の氏名・住所と、取得した持分が所有権の登記へ反映されます。
実家の売却相続人申告登記だけでは、売却できる状態にはなりません。取得者の名義へ相続登記をした後、売却手続へ進めます。
このまま何もしなくてよい、という意味ではありません

相続人申告登記をした後、すぐに実家の取得者を決めなければならない期限が新たに始まるわけではありません。ただし、話合いがまとまる前に相続人の一人が亡くなると、その方の相続人が相続分を引き継ぎます。このように相続が重なることを「数次相続」といい、話合いに加わる方や確認する戸籍が増えることがあります。期限への対応が済んだ後も、実家を今後どうするかの話合いは続けておくことをおすすめします。

私なら、現在の登記を見てから次の手続を決めます

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

「登記が終わりました」と聞いたとき、私はまず、何の登記が終わったのかを確認します。相続人申告登記が付記されているだけなのか、実家を取得した方への相続登記まで完了しているのかで、次にできることが違うからです。

相続人申告登記で期限へ対応できたのであれば、期限のためだけに、実家を取得する方を急いで決める必要はありません。話合いがまとまらない中で、ここまで進めただけでも大きな一区切りです。私なら、今の相続人の間で話し合えるうちに、実家を今後どうするかを少しずつ確認します。売却や担保設定を予定しているなら、取得者への相続登記まで進めます。現在の登記と、実家を今後どうするかを一緒に見て判断します。

この相談で浦和ホームができること

相続人申告登記の後に、何が残っているかを確認します

  • 現在の登記を確認し、相続人申告登記の対象者と不動産を確かめる
  • まだ申請義務へ対応していない相続人がいるかを確認する
  • 遺産分割が成立した場合に必要な相続登記を準備する
  • 実家を売却する場合に、誰を取得者として相続登記するかを確認する

相続人申告登記をした後からでも相談できます。完了している手続と、これから必要になる手続を分けてお伝えします。

戸籍収集、遺産分割協議書の作成、法定相続情報一覧図、取得者への相続登記まで一つの窓口で進められます。

相続人申告登記の後を相談する司法書士報酬99,000円/相続に必要な書類の収集から対応

関連Q&A

相続人申告登記をした人が、実家の所有者になりますか?

なりません。申出人の氏名・住所などは登記簿に付記されますが、取得者や持分を示す所有権の登記ではありません。

相続人申告登記の後、いつまでに取得者への相続登記をしますか?

その後に遺産分割が成立した場合は、実家を取得した方が、成立日から3年以内にその内容に合う相続登記を申請します。

相続人申告登記をしたまま、実家を売却できますか?

売却できる状態にはなりません。誰が実家を取得するかを決め、その方への相続登記をした後に売却手続へ進みます。

相続人申告登記をした後も、遺産分割をしないままでよいですか?

遺産分割が成立しなければ、直ちに追加の登記申請が義務付けられるわけではありません。ただし、取得者の名義へは変わりません。相続人の一人が亡くなると、話合いに加わる方や確認する戸籍が増えることもあるため、話合いは続けておくことをおすすめします。

この記事は、相続人申告登記の申出が完了した後の一般的な場面を説明しています。遺言書、相続放棄、法定相続分による相続登記、相続人間の紛争、第三者による代位登記などがある場合は、別の確認が必要です。

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