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遺言書と遺産分割協議の相談事例

遺言書に「長男へ実家を相続させる」とあります。兄弟の話し合いも必要ですか?

ご相談

再構成した相談例

父の遺言書に「長男に実家を相続させる」と書かれていました。弟も相続人です。父が決めていたとしても、実家の名義を変えるには、あらためて兄弟で話し合い、弟にも遺産分割協議書へ実印を押してもらう必要がありますか。

実家と取得する方が明確なら、その実家の協議書は通常必要ありません

有効な遺言書で、どの実家を長男が相続するのかが明確に決められているなら、その実家は遺言書に基づいて相続登記をします。弟の署名や実印をもらうために、遺産分割協議書を作る必要は通常ありません。

お父さまが遺言書で実家の承継先を決めているためです。兄弟で一緒に法務局へ行く必要もありません。遺言書の種類に合った書面と、長男が相続人であることなどを示す戸籍を用意して進めます。

ただし、「実家」が土地と建物のどこまでを指すのか読み取れない場合や、遺言書に書かれていない私道持分などが見つかった場合は、その財産を別に考えることがあります。遺言書が一通あれば、すべての遺産について話合いが不要になるという意味ではありません。

兄弟の署名を集める前に、遺言書の3点を確認します

  • 長男が相続人として書かれているか氏名を確認し、「相続させる」「遺贈する」など、どのような言葉で取得させる内容になっているかを読みます。
  • 実家の土地と建物を特定できるか遺言書の不動産の表示を現在の登記事項証明書と照らします。敷地が複数筆ある場合や、私道持分がある場合は、その範囲も確認します。
  • 登記に使える状態の遺言書か公正証書遺言か、自筆証書遺言か、法務局で保管されていたかを確認します。自宅などで保管されていた遺言書は、家庭裁判所の検認が必要になることがあります。

実家について協議書が必要かは、遺言書と現在の登記を照らして判断します

遺言書で実家と長男が明確なら遺言書で相続登記をし、書かれていない財産や特定できない財産は別に確認する図
兄弟の話合いが必要かを先に決めるのではなく、遺言書が現在の実家をどこまで指定しているかを確認します。
実家の相続登記兄弟の遺産分割協議
実家と長男が明確に指定されている遺言書に基づいて進めますその実家については、通常必要ありません。
相続する割合だけが書かれている実家の取得者まで決まっているか確認します誰が実家を取得するか決めるため、必要になることがあります。
実家の一部が遺言書に書かれていない書かれた不動産と、書かれていない不動産を分けます未記載の財産を特定の相続人が取得する場合は、必要になります。
不動産や取得する方を特定できないすぐに申請せず、遺言書と登記を詳しく確認します協議で解決できる問題かも含めて個別に判断します。

遺言書に書かれていない財産は、実家と分けて確認します

たとえば、遺言書には実家の土地と建物が書かれていても、道路の共有持分や後から取得した土地が載っていないことがあります。また、「その他一切の財産を長男に相続させる」という定めがあれば、個別に名前が出ていない財産まで含むこともあります。

そのため、遺言書だけを読むのではなく、現在ある財産と照らすことが大切です。私道持分の確認については「土地と建物以外に、私道の持分も相続登記が必要ですか?」で説明しています。

家族への説明と、登記に必要な協議は別の話です

遺言書だけで相続登記ができる場合でも、どのような遺言が残っていたかを家族へ伝えることはあります。ただ、それは弟の実印をもらわなければ登記できないという意味ではありません。

私なら、兄弟の印鑑をお願いする前に実家の範囲を確認します

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

遺言書があるのに、念のため兄弟全員の遺産分割協議書も作ろうとすると、必要のない署名や印鑑証明書をお願いすることになりかねません。一方で、遺言書に書かれていない土地を見落としたまま登記を終えることも避けたいところです。

そこで、まず遺言書と登記事項証明書を並べ、お父さまが実家のどこまでを長男へ託したのかを確認します。話合いが必要な財産が残っているかは、その後に見えてきます。

この相談で浦和ホームができること

遺言書と現在の登記を照らし、実家の相続登記を進めます

  • 遺言書の種類と、検認が必要かを確認する
  • 遺言書に書かれた実家と、現在の登記を照らす
  • 遺言書で進める財産と、別に確認する財産を整理する
  • 必要書類を集め、長男への相続登記を申請する

遺言書の有効性や内容について兄弟間に争いがある場合、遺留分の請求や交渉が必要な場合は、弁護士へ相談する範囲です。浦和ホームでは、争いのない相続登記と必要書類を整理します。

遺言書に書かれた「実家」が、現在の土地と建物のどこまでを指すか分からない段階から確認できます。

遺言書がある実家の相続登記を相談するさいたま市浦和区の司法書士事務所/全国の不動産に対応

長男へ実家を相続させる遺言でよくある質問

弟の印鑑証明書も必要ですか?

遺言書の内容どおりに長男が実家を相続する一般的な登記では、弟の遺産分割協議書への署名や印鑑証明書は通常使いません。遺言書に書かれていない財産を協議する場合は、その協議について別に必要になります。

遺言書に「自宅」としか書かれていなくても登記できますか?

その記載とほかの資料から不動産を特定できるかを確認します。土地と建物、複数の地番、私道持分などのどこまでを指すか判断できない場合は、個別の検討が必要です。

遺言書が自筆でも、兄弟の協議は不要ですか?

自筆か公正証書かは、主に検認や登記に出す書面に関係します。有効な遺言書で実家と長男が明確なら、自筆であることだけを理由に兄弟の遺産分割協議が必要になるわけではありません。

遺言書による相続登記には何を用意しますか?

遺言書の種類によって、検認と登記に使う書面が変わります。「遺言書がある場合の相続登記の必要書類」で一覧にしています。

この記事は、有効性について争いがなく、相続人である長男へ実家を相続させる遺言書が見つかった一般的な場面を説明しています。相続人以外への遺贈、取得する方の先死亡、遺言執行者、遺留分、遺言書の有効性に関する争いがある場合は、必要な手続と相談先が変わります。

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