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遺産分割協議書の相談事例

遺産分割協議書は自分で作れる?司法書士へ依頼する境目

ご相談

再構成した相談例

父の相続人は、母と兄と私の三人です。実家は母、預貯金は兄と私が半分ずつ受け取ることで話がまとまりました。インターネットで遺産分割協議書のひな形を見つけましたが、自分たちで作ってよいのでしょうか。どのような場合に司法書士へ依頼した方がよいですか。

相続人・財産・分け方が決まっていれば、自分で作れます

遺産分割協議書は、ご家族自身で作成できます。戸籍で相続人全員を確認でき、対象となる財産が分かり、誰が何を受け取るかについて全員の合意がそろっているなら、作成ビルダーを使って書面にまとめるところから始められます。

境目は、文章をきれいに書けるかどうかではありません。入力する内容そのものが決まっているかどうかです。作成ビルダーは、決まった内容を協議書の形に整えることはできますが、相続人を確定したり、見つかっていない財産を探したり、ご家族に代わって分け方を決めたりすることはできません。

作り始める前に、3つだけ確認します

  • 誰が協議へ参加するか、戸籍で確認できている家族の記憶だけで決めず、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などから相続人を確認します。詳しい順番は「誰が遺産分割協議へ参加しますか?」で説明しています。
  • 協議書に載せる財産を、資料で特定できている不動産は現在の登記事項証明書、預貯金は金融機関名・支店名・預金種別・口座番号などで確認します。手元の記憶や普段の住所だけで書かず、提出先でも同じ財産だと分かる資料を用意します。
  • 誰が何を受け取るか、相続人全員で決まっている一人でも返事がない、分け方に納得していない、売却費用や代償金の条件が未定という場合は、まだ協議書を完成させる段階ではありません。全員が同じ最終内容を確認してから書面にします。

3つが決まっていれば、ビルダーで書面にできます

相続人、財産、分け方の3点がすべて決まっていれば遺産分割協議書作成ビルダーへ進み、どれかに迷いがあれば専門家へ相談する判断図
文章の上手さではなく、書面へ入れる事実と合意が確定しているかで分けます。どれかが決まっていなければ、その項目を確認してから協議書を作ります。
  • 戸籍と財産資料を手元に置く

    相続人の氏名・住所、不動産の登記事項、預貯金の口座情報を、確認に使った書類から入力できるようにします。

  • 決まった分け方をビルダーへ入力する

    亡くなった方、相続人、財産、取得する方の順に入力します。内容がまだ決まっていない項目は、推測で埋めず、先に確認します。

  • 出力したPDFを、相続人全員で読む

    氏名や財産の表記だけでなく、誰が何を取得する内容になっているかを全員で確認します。修正があれば、署名する前に入力へ戻ります。

  • 最終文面を印刷し、自署・実印で完成させる

    同じ内容に合意した後、各相続人が署名し、自分の実印を押します。氏名や財産の表記に修正があれば、署名・押印する前に最終文面を作り直します。

迷っている場所によって、相談先が変わります

今、迷っていること相談先の目安
相続人・戸籍・不動産の確認誰が相続人か分からない、古い戸籍がつながらない、不動産の地番や持分を確認できない。司法書士へ。相続人と登記資料を確認し、相続登記に使う書類を組み立てます。
書面の作り方・相続登記全員の合意はあるが、財産の書き方や条項が合っているか不安。相続登記まで任せたい。司法書士へ。決まった合意を、登記手続につながる書面へ整えます。
話合い・意見の対立一人が反対している、連絡に応じない、取り分や財産の範囲について争いがある。弁護士へ。話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停も選択肢になります。
相続税・売却後の税金分け方によって相続税がどう変わるか、換価分割や代償分割の税務が分からない。税理士へ。協議書へ署名する前に、予定する分け方の税務を確認します。
ひな形やビルダーを使っても、合意そのものは完成しません

きれいな文書が出力されても、参加する相続人が欠けていたり、財産の記載が漏れていたり、一人でも内容に合意していなかったりすれば、その問題は残ります。逆に、3つが確認できていれば、専門用語を一から考えずにビルダーを使えます。

一人でも合意がそろっていない場合は、先に「相続人が1人でも欠けるとどうなりますか?」をご覧ください。多数決で協議書を完成させることはできません。

私なら、入力できるかではなく、入力内容が決まっているかで線を引きます

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

協議書の文面を一から考えることは、慣れていなければ難しいですよね。だからこそ、相続人、財産、分け方が決まっている方には、まずビルダーで形にしてみてよいと考えています。

一方、「この人も相続人なのか」「この土地も父のものなのか」「本当にこの割合でよいのか」が決まっていないなら、そこが相談の境目です。分からない内容を推測で埋めず、その点を相談する。この線引きでよいと考えています。

無料で試してみる

決まっている内容を、遺産分割協議証明書のPDFにまとめます

  • 亡くなった方と相続人の情報を入力する
  • 不動産・預貯金などの財産と、取得する方を選ぶ
  • 各相続人が署名する遺産分割協議証明書をPDF出力する

浦和ホームの作成ビルダーは、相続人ごとの遺産分割協議証明書を出力します。

3つの確認ができている方は、手元の資料を見ながら作成できます。

自分で遺産分割協議書を作成してみる無料/相続人ごとのPDFを作成

遺産分割協議書を自分で作るときによくある質問

Wordのひな形や作成ビルダーで作っても有効ですか?

どのソフトで作ったかだけで決まるものではありません。相続人全員が同じ内容に合意し、対象財産と取得者が分かる最終文面を確認して、自署・実印をそろえます。提出先で必要となる書類も別に確認します。

話合いはまとまっていますが、不動産の書き方だけ分かりません

現在の登記事項証明書を用意し、表題部の表示を使います。土地・建物の転記項目は「遺産分割協議書の不動産の書き方」で確認できます。地番、家屋番号、持分などを読み取れない場合は司法書士へ相談できます。

自分で協議書を作り、相続登記だけ司法書士へ依頼できますか?

依頼する範囲は相談できます。ただし、協議書だけを切り離さず、戸籍で確認した相続人、現在の登記、協議書の内容が相続登記につながるかを一緒に確認してもらうと安心です。事務所ごとに受任範囲が異なるため、予約時に作成済みであることを伝えます。

相続人の一人が反対していても、先に協議書を作れますか?

案を作ることはできますが、反対している方を除いた協議書では完成しません。相続人間の交渉が必要なら弁護士へ、話合いがまとまらない場合は家庭裁判所の遺産分割調停を検討します。

この記事は、相続人全員が分け方に合意している一般的な遺産分割を前提にしています。遺言書、相続放棄、未成年者、判断能力に不安のある方、行方不明者、相続分の譲渡、数次相続などがある場合は、協議書へ署名する前に必要な手続を確認してください。金融機関の所定書類や受付条件は各社で異なります。

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