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相続登記の用語・書類解説

遺産分割協議書の預貯金の書き方|残高も必要?

ひとことで言うと

金融機関名・支店名・預金種別・口座番号(ゆうちょ銀行は記号番号)・口座名義を確認し、どの口座を誰が相続するのかが分かるように書きます。口座全体を相続させる協議書なら、残高は原則として必須ではありません。残高を書くときは、いつ現在の金額かを必ず添えます。

残高より先に、どの口座かを特定します

遺産分割協議書でまず必要なのは、相続人全員が同じ預貯金口座を指していると確認できることです。残高は利息、口座振替、相続手続までの入出金などで変わるため、金額だけでは口座を特定できません。

口座を特定する情報

金融機関名・支店名・預金種別・口座番号または記号番号・口座名義です。通帳や金融機関の書類で確認します。

残高

ある時点で口座にある金額です。口座全体を取得する人を決める協議書では、残高を書かなくても対象口座を特定できます。

基準日

残高がいつ現在の金額かを示す日です。死亡日現在、協議日現在など、同じ口座でも基準日によって金額が変わります。

先に結論

口座全体を一人が相続するなら、残高を固定額で書かず、口座を特定する情報を正確に記載する方法が分かりやすいです。分け方の計算資料として残高が必要でも、それを協議書本文へ必ず載せる必要はありません。

書き始める前に、3つ確認します

  • 金融機関名と支店名は、現在の名称か合併や支店統合で名称が変わっていることがあります。古い通帳しかないときは、現在の取扱店を金融機関へ確認します。
  • 普通・定期などの種別と、口座番号が分かるか同じ金融機関に複数口座がある場合もあります。一口座ずつ、預金種別と口座番号を組み合わせて確認します。ゆうちょ銀行は記号番号を使います。
  • 口座名義と、口座が現在も存在するか名義が亡くなった方本人か、死亡前に解約されていないかを確認します。解約済みなら、元の口座ではなく払戻金や現金など、現在残っている財産を整理します。

通帳や残高証明書から、口座を特定する5項目を写します

通帳の表紙裏や金融機関が発行した残高証明書などを見て、金融機関・支店・預金種別・口座番号・口座名義を確認します。キャッシュカードだけでは支店名や預金種別が分からないことがあるため、ほかの資料と照合してください。

架空の通帳にある金融機関・支店・預金種別・口座番号・口座名義を、遺産分割協議書作成ツールが出力した預貯金の記載へ移す例
左は通帳の体裁を架空データで再現した見本、右は同じデータを当サイトの作成ツールへ入力して出力した協議書PDFです。残高は口座の特定項目ではないため、協議書の出力には含めていません。実在する金融機関・口座・人物の情報は使用していません。
確認する項目銀行などゆうちょ銀行
金融機関○○銀行ゆうちょ銀行
取扱店浦和支店通常は支店名を書かず、記号番号で特定
種別普通預金・定期預金など通常貯金・定額貯金など
番号口座番号記号番号
名義通帳などにある口座名義通帳などにある口座名義
同じ銀行に複数口座があるときは、一口座ずつ分けます

支店・預金種別・口座番号のどれかを省略すると、どの口座を指すのか曖昧になることがあります。定期預金が複数口ある場合も、金融機関の表示に従って番号などを確認します。

残高は必須ではありません。書くなら基準日を添えます

口座全体を相続する人を決める協議書では、対象口座を特定できれば、残高を書かなくても内容は分かります。むしろ金額だけを書くと、その後に利息や引落しがあったとき、協議の対象が記載額だけなのか、口座に残る全額なのか分かりにくくなることがあります。

書き方向いている場面注意点
残高を書かないその口座にある預貯金の全部を、一人が相続する金融機関・支店・種別・番号で口座を正確に特定する
死亡日現在の残高を書く遺産全体の把握や相続税の資料と金額を揃えたい死亡後の利息や入出金を反映した払戻額とは一致しないことがある
協議日などの残高を書く分け方を決めた時点の計算根拠を残したい「令和○年○月○日現在」と基準日を明記する

相続税では、原則として亡くなった日現在の価額を用います。一方、金融機関が実際に払い戻す金額は、手続完了までの利息や取引によって変わり得ます。死亡日残高を協議書へ書いたからといって、それが常に最終の払戻額になるわけではありません。

残高証明書には、証明する日を指定します

残高証明書を取る場合は、何のために使うかを先に決めます。相続税の確認なら死亡日、協議時点の財産把握なら別の基準日が必要になることがあります。相続人同士で同じ基準日の資料を使ってください。

残高を書かない形を基本にし、必要なときだけ金額を補います

次は架空の口座による記載例です。実際には、通帳や金融機関の書類で確認した名称・番号へ置き換えてください。協議書の冒頭で被相続人が明らかな場合、口座名義を省略する書式もありますが、確認できるなら記載しておくと照合しやすくなります。

項目残高を書かない記載例
取得者次の預金は、相続人 浦和 花子が相続する。
口座金融機関 ○○銀行/支店 浦和支店/種類 普通預金/口座番号 1234567/口座名義 浦和 太郎

金額も記録するなら、「令和8年9月1日現在残高 1,234,567円」のように基準日とセットで加えます。口座に属する預金の全部を取得させる合意なら、記載した参考残高だけに対象を限定したように読まれないかも確認してください。

口座を金額で分ける場合は、払戻し方まで決めます

一つの口座を「長男が100万円、長女が残り」のように分ける場合は、誰が金融機関で払戻しを受け、いつ・いくらをほかの相続人へ渡すか、利息や手数料をどう扱うかまで曖昧にしないことが大切です。単純な口座単位の記載例では処理しにくいため、個別に文案を確認してください。

口座番号が分からないときは、推測して書きません

金融機関そのものが分からない場合は、先に「亡くなった人の銀行口座の探し方」で、相続時口座照会と候補金融機関への個別照会の使い分けを確認してください。

  • 通帳・証書・金融機関からの郵便物を探す

    口座のある金融機関、支店、預金種別を特定する手がかりを集めます。

  • 相続人として金融機関へ照会する

    戸籍など金融機関が指定する書類をそろえ、残高証明や取引明細、口座の有無を確認します。必要書類や手数料は金融機関ごとに異なります。

  • 確認できた表示を、一口座ずつ協議書へ移す

    番号の一部や古い支店名を推測で補わず、金融機関が確認した現在の情報を使います。

ゆうちょ銀行では、記号番号が分からない場合に、相続人から現存調査を依頼する手続が案内されています。金融機関が分からない財産まで「その他一切の預貯金」だけで済ませる前に、手がかりのある金融機関へ照会してください。

自分で作成する

通帳を見ながら、預貯金口座を一件ずつ入力できます

  • 財産から「預貯金」を追加する
  • 金融機関・支店・種別・口座番号または記号番号・口座名義を入力する
  • その口座を取得する相続人を選び、協議書PDFを作成する

入力した内容はブラウザ内で処理され、サーバーへ送信されません。口座の金額を複数人に分ける、死亡後の引出しに争いがある、名義預金かどうか判断が必要、口座が既に解約されている場合は、一般的な口座単位の出力だけで完了させず個別に内容を確認してください。

通帳や残高証明書を手元に置き、預貯金を一口座ずつ入力します。

預貯金を入力して協議書を作成する無料/入力内容はブラウザ内で処理

預貯金の書き方についてよくある質問

遺産分割協議書に、預貯金の残高を書かなくてもよいですか?

口座全体を誰が相続するか決める場合は、金融機関・支店・預金種別・口座番号などで対象口座を特定できれば、残高は原則として必須ではありません。分け方を計算するための残高資料は、協議書とは別に保管できます。

残高を書くなら、死亡日と協議日のどちらですか?

何のための金額かによります。相続税では原則として死亡日現在の価額を確認します。協議時の分け方を記録するなら協議日などを使うこともあります。いずれも「令和○年○月○日現在」と基準日を明記します。

ゆうちょ銀行は、支店名と口座番号をどう書きますか?

通常は「ゆうちょ銀行」「通常貯金」などの種別と、通帳等にある記号番号で特定します。店名・預金種目・口座番号へ変換した表示だけに頼らず、相続手続で金融機関が確認できる記号番号を確かめてください。

同じ銀行に普通預金と定期預金があります。まとめて書けますか?

どの預金を誰が取得するかが分かるよう、一口座・一明細ずつ分ける方が安全です。少なくとも支店、預金種別、口座番号などを組み合わせ、対象を取り違えないようにします。

口座番号が分からないまま、協議書を作れますか?

番号を推測して書かず、相続人として金融機関へ照会します。金融機関所定の戸籍などを提出して、口座の有無、番号、残高証明などを確認してから記載してください。

この記事は、金融機関で口座を確認でき、相続人全員の話合いがまとまっている一般的なケースを説明しています。一つの口座を金額で分ける、死亡後の払戻しや使途に争いがある、名義預金・生前贈与・相続税評価の判断が必要な場合は、個別の事実と文案を確認します。

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