相続登記の上申書とは?住所がつながらないときの役割と記載例
相続登記でいう上申書は、登記簿に載っている所有者と亡くなった方が同じ人であることなどを、相続人が法務局へ説明する書面です。すべての手続きで必ず提出する書類ではありません。
この用語の分類:亡くなった方の住所をつなぐ書類
なぜ上申書が必要になるのですか?
相続登記では、登記簿上の所有者と戸籍に載っている亡くなった方が、同じ人だと確認する必要があります。まずは住民票の除票や戸籍の附票など、住所の記録で確認します。
ただ、古い記録が残っておらず、登記簿の住所までつながらない場合があります。そのときに検討する資料の一つが上申書です。
上申書だけで、同じ人だと証明できますか?
上申書は、失われた住所の履歴を証明する公的な書類ではありません。登記簿、取得できた除票や附票、古い権利証、固定資産税関係の資料などを見比べながら、同じ人だと確認できるかを検討します。
不在住証明書・不在籍証明書を組み合わせる場合もありますが、これらも単独で同一人物だと証明する書類ではありません。ほかの資料で確認できる場合は、法務局から上申書を求められないこともあります。
誰が署名し、どの印鑑を押しますか?
登記名義人と亡くなった方が同一人物である旨の上申書を作る場合は、相続人全員が署名して実印を押し、それぞれの印鑑証明書を添えます。不動産を取得する一人だけが押せばよい、という書面ではありません。
ただし、そもそも上申書が必要か、どの資料と組み合わせるかは事案ごとに変わります。相続人全員へ押印を頼む前に、登記簿と取得できた資料を持って、申請先の法務局または司法書士へ確認するのが確実です。
上申書には何を書きますか?
以下は、登記簿の古い住所と亡くなったときの住所がつながらない場面を想定した架空の記載例です。氏名・住所・不動産の表示はすべて架空です。提出用の決まった書式ではありません。
これは説明用の見本です。実際の不動産の表示、上申する内容、添付資料は登記内容に合わせ、提出前に申請先へ確認します。
例では土地だけを記載しています。建物なども対象なら、実際の登記記録を確認して記載します。
自分で先に作っておいた方がよいですか?
上申書を先に作る必要はありません。いま手元にある登記簿と住所の書類を並べ、どの住所の間がつながっていないか確認できれば、次の相談がしやすくなります。必要だと分かってから上申書を作成すれば十分です。
除票や附票など、聞き慣れない書類名もあります。ここから先を一人で判断するのは大変だと感じたら、無理に記載例を完成させなくて構いません。取得済みの資料だけでも相談できます。
上申書についてよくある質問
上申書を書けば、除票や附票がなくても必ず相続登記できますか?
いいえ。上申書だけで登記名義人との同一性が必ず認められるわけではありません。取得できる公的記録と、古い権利証など残る資料を確認したうえで、申請先の取扱いを確かめます。
不動産を相続する人だけが実印を押せばよいですか?
相続人全員で同一人物だと上申する書面を使うなら、取得者一人だけではなく、相続人全員の実印と印鑑証明書をそろえます。ただし、上申書自体が必要かどうかを先に確認します。
上申書の決まった書式はありますか?
この記事の記載例は、住所がつながらない場面を説明する見本で、提出用の一律の書式ではありません。対象不動産と残っている資料に合わせて記載内容を決め、申請先へ確認します。