法定相続情報一覧図の書き方|子だけが相続人の場合・記載例と無料ツール
ご相談
母は以前に亡くなっており、今回、父が亡くなりました。相続人は私と弟の2人です。法定相続情報一覧図には、先に亡くなった母も書くのでしょうか。父と私たちの名前をどう並べ、どう線を引けばよいのか、見本で確認したいです。
亡くなった方と子2人を記載し、親子の線で結びます
子だけが相続人になる場合は、亡くなった方から子2人それぞれへ、親子関係の線を引きます。この例では、先に亡くなった母の欄は設けません。下のGIFで、3人の名前を置く位置と線の引き方を確認できます。氏名や日付は、お手元の戸籍に合わせて書いてみましょう。
描く順番をGIFで見る

氏名・日付・住所はすべて説明用の架空のものです。ご自身で作成する際は、お手元の戸籍などの記載に置き換えます。
この見本は、どんな家族の場合?
母は父より先に亡くなっており、父・山田太郎さんが亡くなった時点では配偶者がいなかった例です。子は一郎さんと二郎さんの2人で、どちらも存命です。この例では、ほかに子・養子・代襲相続する孫はいません。長男の一郎さんが、自分で作成して申し出ます。
| 立場・続柄 | 氏名 | 出生・死亡年月日 |
|---|---|---|
| 被相続人 | 山田太郎 | 出生:昭和20年1月1日/死亡:令和7年3月15日 |
| 長男・申出人 | 山田一郎 | 出生:昭和50年10月10日 |
| 二男 | 山田二郎 | 出生:昭和53年3月3日 |
日常会話では「兄弟2人で相続する」と言うことがありますが、一覧図には亡くなった父の「子」として書きます。亡くなった方の兄弟姉妹が相続する場合とは、記載する続柄も線の引き方も異なります。
子が父より先に亡くなっていて孫がいる場合は、代襲相続の書き方を確認します。母が父の死亡時には存命で、その後に亡くなった場合は、数次相続です。父の死亡時には母も相続人だったため、父の一覧図には母も記載します。
氏名・日付と線は、どう書く?
- 左側に、亡くなった父の情報を書く
「被相続人」と表示し、氏名、出生年月日、死亡年月日を書きます。最後の住所は、亡くなったときの住民登録上の住所を住民票の除票などで確認して記載します。見本では最後の本籍も記載していますが、最後の本籍の記載は通常、任意です。
- 右側に、子2人の情報を上下に並べる
この見本では、上に長男・一郎さん、下に二男・二郎さんを置きました。それぞれの氏名、出生年月日、父から見た続柄を記載します。見本では、続柄・氏名・出生年月日・住所の順に記載しています。
- 父から、それぞれの子へ線を引く
父の欄の右側から横線を引き、子2人の間で縦に枝分かれさせ、各人の欄へ横線を引きます。線の先は、一郎さんと二郎さんの欄です。兄弟同士を結婚の二重線で結ぶことはしません。
線が氏名や日付に重ならないよう、先に文字の位置を決めてから描くと書きやすくなります。右側の子2人は同じ世代なので、横位置をそろえ、住所を含めた各人の欄の間を空けます。公式Excelには、子2人を記載する欄と親子の線が用意されています。
完成見本
子の続柄
見本の「長男」「二男」は、父との続柄です。ご自身の戸籍が「長女」「二女」なら、その表記を使います。「子」と記載することもできますが、相続税の申告などで使えない手続があります。続柄の書き方も確認できます。
子の住所
記載は任意です。見本では一郎さん・二郎さんともに住所を記載しました。書く場合は、それぞれの住民票などで住所を確認し、その表記のまま記載します。法務局へ申し出るときは、住所を確認できる書類も添えます。省く場合は「住所」の行を設けません。住所を記載するか迷う場合は、利用する手続や書面のスペースに合わせて判断します。
申出人の表示
この見本では一郎さんが手続きを申し出るため、一郎さんの欄に「(申出人)」と添えています。二郎さんが申し出る場合は、二郎さんの欄に表示します。2人ともに表示する必要はありません。
作成日・作成者
作成した日と、作成者の住所・氏名を書きます。見本では「令和8年11月5日」、作成者は一郎さんです。図の中に子の住所を書いている場合でも、作成者欄の住所は省かずに記載します。
この完成見本は、手書きやWord・Excelでも作れます。手書きなら、A4縦の丈夫な白い用紙に、黒色のペンではっきり書きます。消せるペンは使わず、用紙の下部には法務局が認証文を記載する余白を残します。公式記載例は、下から約5cmを可能な限り空けるよう案内しています。
Excelには、公式の「子(1~4人まで対応)」様式があります。子2人用の欄を使い、記載例PDFと見比べながら入力できます。Wordで作る場合も、父と子2人の関係と、各欄の記載事項が分かるように作成します。
文字の位置や線を調整するのが大変なときは、無料のあなうめ式作成ツールも使えます。相続パターンで「子のみが相続人」を選び、亡くなった方と子2人の氏名・日付などを入力すると、親子の線も含めた一覧図ができあがります。質問に答えて作る方法でも、一覧図と申出書を作れます。
- 子2人をどちらも記載しているか家を一郎さんだけが相続する場合でも、二郎さんの欄を省くことはしません。結婚して姓が変わっている子は、現在の戸籍にある氏名で記載します。
- 氏名・日付・続柄が戸籍と合っているか漢字や「二男」などの表記は、普段使っている文字に直さず、戸籍のとおりに写します。財産を分ける割合は、この一覧図には記載しません。
- 申出人・作成者の記載があるかどちらの子が申し出るかを決め、その人に「(申出人)」を添えます。用紙下部の作成日や、作成者の住所・氏名も確認します。
一覧図ができたら、申出書と戸籍などを添えて法務局へ提出します。法務局で確認と認証を受けると、各種の相続手続きに使える証明書が交付されます。作成から申出までの流れも案内しています。
先に亡くなった母も書く?
今回の父の一覧図では、母の氏名や死亡日は記載せず、父と子2人の関係を直接示しています。先に亡くなった母を、今回の相続人の欄に記載する必要はありません。
ただし、図に母を書かないことと、戸籍で母の死亡を確認しなくてよいことは別です。父が亡くなった時点で配偶者がいなかったことや、ほかに子がいないことは、父の出生から死亡までの戸籍などで確認します。手元の戸籍だけで足りるか分からないときは、無理に全部そろえようとせず、ご相談ください。
母の相続手続も残っている場合は、父の一覧図にまとめず、母についても別に作成するかを検討します。亡くなった方ごとに、その方が亡くなった時点の相続関係を表す書類だからです。亡くなった順番で記載する人が変わる例もご覧ください。
戸籍が全部そろっていなくても大丈夫です

小野田 敦士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
ご依頼いただければ、戸籍の収集から一覧図と申出書の作成、法務局への申出まで私が進めます。「母の手続きも残っている」「戸籍はあるけれど、これで全部なのか分からない」という段階でも構いません。今お手元にある書類と、分かっている状況からお話しください。
子2人の一覧図を、自分の家族の内容で作ってみる
- あなうめ式と、質問に答えて作る方法を選べます。
- 一覧図と申出書を作れます。
- 戸籍集めが大変なときは、途中からでも引き継ぎます。
この見本のとおりでよいか迷うときは、一人で調べきろうとせず、今分からないことからご相談ください。
子だけの一覧図でよくある質問
姉と弟など、子の性別が違っても同じように書く?
はい。子2人の配置や親子の線は、この例と同じように引きます。続柄は、亡くなった方から見た戸籍上の表記に合わせて「長女」「長男」などに置き換えます。自分たちから見た「姉」「弟」とは書きません。
子が相続放棄した場合は、その子を省く?
省きません。家庭裁判所で相続放棄をした方も、法定相続情報一覧図には記載します。今回の例のように、父より先に亡くなっていた母を書かないこととは扱いが異なります。
父の親や兄弟姉妹も存命なら、一緒に書く?
記載しません。この例のように子2人が相続人になる場合は、父の親や兄弟姉妹を相続人として記載する必要はありません。父と子2人の関係を示します。